12.花客に曝け出した散美-5
その言葉は竜二や健介だけではない。バゼットに対しても発した言葉だった。だがそれを無視して竜二が中心に手を添えると、瘤付きショーツの中で濡れ漏らしていた愛液が染みてしっとりとなったヘアを撫で上げる。三人の目に晒されているのに、指の感触がすぐ近くまで来ただけで入口は期待に震え、その奥では膣壁が指の侵入を目前にして蠢いてしまう。
「この子、Gスポットがヤバいらしいぜ?」
健介が声をかける。盗撮映像で村本との一連の性交を確認し、既に悠花の弱点を見抜いていた。竜二が立てた中指を入口の柔肉を数回周遊した果てに角度を付けて内部に差し挿れてくる。
「んん……」
手で唇を覆い声を防ぎたい。竜二の中指が熱く潤った秘肉を突き進み、指節が壁を擦っていくだけで、腰が動いて片足立ちの腿が震える。
「なんかもう、イキかけみたいだぜ? 美人モデルさんに即イキしてもらうかぁ?」
と、少し折った指先を、健介のアドバイス通りに悠花の最弱点に押し当て、上に圧迫しながら掻き出すように動かしてくる。
「いやあっ!! や……、んんっ!」
悠花の悲鳴に混じって、竜二の指が貫かれた股間から派手な湿音が全員の耳に届き、
「うわ、グッチョグチョ、とんでもねぇな。……おらっ、イケよ、変態女! カレシにぶちまけてやれっ!」
急に乱暴になった竜二が、悠花の内部を壮絶な圧力とスピードで擦り上げ、わざと差し入れる角度を変えて音が鳴りやすいように響かせてきた。
「ああっ! ダメッ! ……やめて、……やめてぇっ!」
髪を振り乱して、バゼットの目の前での絶頂を拒む悠花に、竜二は、
「ぎゃはっ……、イクんだろ? いいぜ? 潮噴いてやれよ」
残虐な顔で悠花の顔を覗き込みながら、容赦なく指で悠花の中を激しくかき回して、とどめを刺してきた。
「や……、バ、バゼット……。う、く……、許して……。出る……、あ、う……、……ああぁっ!!」
悠花は頬に涙を伝わせながら、最後に大きな声で天を仰ぐと、尿道から大量のしぶきを前方に飛ばした。健介に抱えられた腕の中で、何度も体が痙攣する。噴出した体液は当然足元に転がるバゼットにも降り注いで、指で掻き出されるごとにジャケットや髪、そして背けられた顔にも撒き散らされていった。
「あぁ……」
何ともいえない声を漏らして、チョロチョロと弱まる潮を片脚に垂れ落としながら、ガックリと悠花は顔を落とした。
「すっげぇ……、どんだけ噴くんだよ、まったく……」
と言いながら、竜二は指を引き抜き、漏らした潮を肘近くまで浴びた手を悠花の前で振って小さな飛沫を飛ばして見せた。
「やっぱハズカシイほうが感じるんだよ、この瀬尾悠花ってのは」
背後から健介が冷徹な分析で辱める前で、竜二がハーフパンツを脱ぎ始める。
「……ひっ!」
健介に膝の裏を抱えられて高く持ち上げたバミューダサンダルがビクンと震えた。絶頂を味わされたばかりで敏感になっている秘所の入口に熱く硬い肉塊が押し当てられて、思わず瞳を開いて顔に垂れ落ちている髪の隙間から足元を見ると、竜二が正面から勃起した男茎をまさに挿入しようとしているところだった。村本とは違い、タンクトップ一枚姿だと蛇柄の刺青の異様さはあるが、引き締まった肉体が映えていた。だがその体の中心に生え伸びている男茎には、傘周りと幹に転々と、皮膚の中に丸い小さな突起がいくつもあった。
「な、……、あ……」
見たこともない男茎の姿に、驚嘆に瞳を見開き、言葉にならぬ表情で目が逸らせずにいると、
「俺の自慢のチンポで犯してやるよ。真珠入りだぜぇ? 村本なんかのチンポより、よっぽどヤバいからよぉ、覚悟しろよ?」
と竜二が上気した顔で、丸突起のある亀頭を悠花の中へ進め始めた。服役中に知り合った同業者からその存在を聞き、出所後すぐに施術を扱っている店を訪ねた。もともと嗜虐趣味を持っていた竜二は、女を責め狂わせるような武器を紹介されては、借金してでも手に入れずにはいられなかった。実際この凶器で責められた女達は、たとえ普段から裏風俗で様々な男茎を知っている女であっても、バイブレーターのように緻密な粒で快楽を刺激して来ながら、その肉塊の生々しさによがり狂ったのだった。
「あふっ……」
悠花がくぐもった声を漏らす。
目の前で自慢の凶器を押し進めていっている女は、これまで狂喜に貶めてきた女達の誰よりも美しく、そして男茎を貪婪に包み絞めてきていた。竜二は未体験の快楽に、思春期の頃のような硬度で悠花の柔壁を抉り込み、それがまた更なる悠花の淫靡を呼んで、男茎は絡め取られながら奥に引き込まれていった。