〈狂宴・中編〉-6
『……ねえ奈和……優愛は私の物なのよ?この美味そうなオッパイも、私の物よ……』
一方的な想いを吐きつけてくるオヤジの手に、両のカップはひっくり返されると、最愛の人は胸元を曝け出されて叫び、なんとしてでもブラジャーを直したいとジタバタと足掻いていた。
(……ゆ……優…愛……ちゃん……)
奈和の眼下には、初めて見る優愛の美しい胸の膨らみが揺れていた。
小振りだが真ん丸に膨らんだ胸肉に、ピンク色の乳輪が浮かび、少しだけ赤みの強い乳首がチョンと飛び出ている。
変態オヤジは、嬉しそうな顔に好奇に満ちた目を光らせ、その美肉を嘗めるように視姦し、呼吸を荒げる……胸を曝されてしまった事と、欲情を爆発させた瞳が放つ視線に嫌悪は否応なしに膨れ上がり、更には奈和にまで今の自分を見られてしまっている事に、優愛の瞳からは威圧感より悲壮感の方がより滲み出るようになってしまっていた……。
(い…嫌よ……指…指を近付けないでよぉ!!)
『よ…涎が出ちゃうわ……フヒヒ……お、オッパイをタムルに触らせてぇん』
自分の事を名前で呼ぶのを聞くのは、例え女性であっても不快なものだが、いい年をしたオヤジが言うとなれば不快極まりない。
変態が変態を演じ、全ての指をグニャグニャと動かして胸へと近付けていくと、優愛の表情は虚勢から怯えが滲み出し、身体は防御しようと捩るように藻掻いた。
(やめてぇ!!さ、触らないでよッ!!触らないでぇ!!!)
蠢く指先から胸元を離そうにも、両肩は背もたれに縫い付けられたように密着したままだった。
淫虐な指先は胸肉を包むように近付き、その山の麓に降り立つと、手首を回して発育した胸肉の形を調べるように滑り回った。
いくら藻掻こうが叫ぼうが、その指先は胸肉から離れず、汗ばんだ滑らかな肌は弄ばれたままだ。
『嫌ッ……まだ先っちょに触ってないのに乳首が勃っちゃった!ほら奈和、見なさい!優愛ちゃん乳首が勃っちゃったわよ?』
「はがががぁッ!!!」
屈辱的な身体の反応をタムルは叫び、わざとらしくも驚きの声をあげた。
固くなった乳首を凝視し、悔し涙を流す優愛と奈和を交互に眺め、そして未だに憤怒しかない景子に対し、勝ち誇った表情をタムルは作った。