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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈狂宴・中編〉-4

『こぉんなに小ちゃなオッパイをギュウギュウに締め付けるなんて、意地の悪いブラジャーだわぁ?フヒヒ…ヒ……こういう憎たらしいブラジャーは私が退治してあげるぅ』

(わ…私のブラにぃ…!!はな、離しなさいよぉッ!!)


嘲笑う掌がブラジャーの肩紐を掴むと、スルリと滑って肩紐とカップを繋ぐプラスチックのフックを覆って握り締めた。
節榑立つ指が曲がり、手の甲に血管を浮き上がらせて緊張を見せた瞬間、その握り拳の中からブチンッと鈍い音が聞こえた。


(こ…壊さ…れた……?)



掌の緊張が消え、萎れて離れた後には、フックがひしゃげて千切れ、肩紐はカップを繋ぎ止める能力を失わされていた。

もはやカップは胸肉と密着しておらず、覗き込んで欲しいとばかりに隙間を開けている。
お望み通りにタムルは顔を傾げ、その隙間を興味津々に覗き込み、荒くなっていく吐息を優愛の肌に吹き掛けた。


『あ…そういやお姉さんのも、こうやって“退治”したんだっけ?貧乳で支える必要も無いクセに、一丁前にブラジャーなんて着けてさぁ?……こぉんな分厚いパッド入れて……イヒヒヒッ…わ、笑っちゃったわぁ……』

「…ッ!!!」


奈和を馬鹿にし続けた変質者は、ついに姉の景子までも馬鹿にし始めた。

まだ優愛の怒りは足りないのだと、せせら笑うように……。


『ここからならお姉さんのオッパイが見えるでしょ?……あぁ…真っ平らだから見えないわよねえ?男みたいな身体に大きな乳首つけちゃって、摘まんで引っ張るしか使い道が無いじゃない……ねえ?』

(お、お姉さんのコトをッ!!貴方みたいな奴がぁ!!)


タムルの全てが生理的に受け付けられず、声が鼓膜を打つたび、呼吸が肌に触れるたび、その醜い容姿が視界に入るたびに総毛立ち、吐きたくなる程の拒否反応が身体におきていた。



……優愛が物心ついた頃から、景子は頼れる存在だった。

年齢が離れている事もあるが、いつも優愛を気遣い、優しく厳しく接してくれていた。
それは美穂に対しても同じで、姉と言うよりは、もう一人の母親と呼んでもいいくらいであった。

そして忌まわしき事件の時も、その後の悲劇の時も、景子は弱さを見せなかった。
美穂の死に我を忘れたように嘆き悲しむ優愛を、景子は気丈に抱き締め、その哀しみを受け止めてくれた。
その心の大きさに、強さに、優愛は姉妹愛を越えた憧れを抱くようになっていった。


優愛にとって景子は憧れであり、誇りであった。


強さと美しさを兼ね備えた、唯一無二の存在であったのだ。

そんな姉を弄んだ末に姦し、奈和の暴行現場に立ち会わせ、更に侮辱までしたこのオヤジを、優愛に許せる道理など有りはしなかった。
吐きたくなる嫌悪感に負けて悲鳴をあげ、逃げ出したくなる衝動に任せるのではなく、絶対に変わらない意思と抗戦を示そうと決意した。



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