〈狂宴・中編〉-19
『タムル様、景子の奴、妹を助けて下さいって顔をしてますよ?』
完全に嘲った声で、専務はタムルに景子の思いの代弁をした。
見れば、ガラス容器の中身は半分程まで目減りしており、いつ肛門が爆発してもおかしくはない。
これ以上、優愛を晒し者にしたくは無いと、景子が思うのも無理は無かった。
その為の哀願の眼差しだと、専務には分かっていたのだ。
『……はあ?「助けて」ですってぇ?こぉんなにビクンビクンしながら感じちゃってるのに、助けるもクソも無いんじゃないの?』
予想通りの返答が、景子に突き返された……タムルは一瞥もくれずに優愛の胸肉を貪り、もっと狂わせてやろうと虐めを止めない。
『それにねぇ、優愛ちゃんは貴女の妹の前に、私の家畜なのよぉ?私が飼う牝豚に私が何をしようが、貴女には関係無いじゃないのよぉ?』
タムルの頭の中では、優愛は人間としては認識されておらず、飼育されて喰われるだけの豚としか思われていなかった。
妹を豚と呼ばれる悔しさや怒りすら、もう景子には訴える手段は無い……。
『あとさぁ、貴女も私の家畜なのよぉ?私の牝豚なんだから、御主人様である私に意見するなんて、身の程知らずなんだからね』
支配者であるタムルを前にすれば、景子も優愛も等しく豚であり、姉妹である事に何の意味も無かった。
大翔から架純を奪い、牝豚へと仕立て上げた冷血な変質者からすれば、それは至極当然となるが、真っ当な思考と倫理を持ち合わせた景子や優愛や春奈からすれば、それは人道に悖る非道と言えた。
『優愛ちゃんはねぇ、私が送ったオマルを使わなかったの……つまりぃ、御主人様に糞と小便をブチ撒ける姿を見て欲しかったのよぉ!』
(ッ!!!)
タムルは優愛の顔から奈和のパンティーを剥ぎ取ると、それを自らの頭に被り、浣腸で膨れた下腹部に掌を添えた。
その変態の姿をした“変態”は、いきなり優愛の髪を掴んで首を捻るように曲げると、そのゾッとする笑顔で優愛と景子の顔を交互に見た。
『……変態……フフ……この変態姉妹の妹豚さん……奈和と景子お姉さんの前で漏らしちまえ……』
「ぐはッ!?ぐッがはぁ!!!」
囁いて口汚く優愛を罵ると、タムルはサロトが奈和にしたように下腹部を揉みしだき、排便に至れと囃し立てた。