和州記 -浴場ニテ欲情ス--3
湧き上がる快感に身を震わせる一紺の胸板を、竜胆は空いた手で撫ぜ、舌を這わせた。
「気持ち良いか…?」
熱っぽく、同意を求めるような言い方。竜胆は更に舌で一紺の胸を蹂躙した。
硬くなった突起を唇で噛んでは、舌で転がして弄ぶ。
(どこでこんなん覚えて…)
一紺は、すっかり竜胆の舌遣いに酔っていた。反り勃った一物にも限界が近付く。
「…簡単にはイカせないからな」
妖艶な笑みを浮かべて、竜胆は言った。その瞳はどこか虚ろである。
一紺は、ぴんと来た。
(薬か…ッ)
あの媚薬が、かなりの効果をもたらしたのか。いや、それ以外には考えられない。
(なるほど…まるで人が違う)
一紺は竜胆から、以前に茸で暴走したと聞かされていた。それの逆、と言うことか。
だが、むしろこれは望むところかもしれない。
普段ならば絶対にしないことまでしてくれる竜胆に、一紺はそう思った。
「あうッ!?」
竜胆が、手の動きを早める。同時に一紺の絶頂が迫った。
「あ、あかん、竜胆」
一紺がもう少しで果てそうになったその時。
竜胆は手を止める。
あッ、と自分でも驚くくらいに切なく声を上げる一紺。先端に伝う液を見て、竜胆は笑った。
「まだまだ」
そうして、先端を指で弄んだ。
再び果てそうになるが、その瞬間に竜胆は手を離す。
「な…?!」
もどかしい。
こうなれば、自ら…と手を伸ばすが、その手は両方共竜胆によって阻まれる。
一紺は荒い息を吐き、懇願するように竜胆を見やった。
彼女は頷き、一紺の頬を優しく撫でる。
口付けて、舌を絡ませながら唇を食む。
「良く我慢出来たな」
そして彼の耳元に唇を寄せる。
「…イッていいぞ」
呟いて、竜胆は一物を扱いた。途端、先端から白濁した液が思い切り迸る。
それは竜胆の胸や顔に飛び、彼女の身体を汚した。
「ん…はぁ、はぁ…ッ」
一紺は、肩で息をしながら竜胆のくびれた腰に手を回した。
今度は軽く口付けを交わすと、一紺は彼女の身体を持ち上げて横抱きにする。
湯から上がると、手拭を敷いた石畳に彼女を転がせ、我慢できないとばかりに馬乗りになる。
「あ…ん、早く…ぅッ」
急かす竜胆の白い身体に手を這わせる。
胸から、腹へ。股を撫ぜて、秘所へ。
ぬるりと濡れた割れ目に指を埋めて、一紺は言った。
「えらい濡れようや…」
「あんッ、あ…」
竜胆は首を仰け反らせた。首筋に口付けし、竜胆が自分にしたように屹立した乳頭を舌で転がした。
その間にも、秘所で一紺の手は妖しく蠢く。竜胆の愛液が指に絡み付く。
暫しぐちゅぐちゅという音が浴場に響いた。
「あ…あぁ…んッ、そこ、いい…ッ」
竜胆の声が高くなる。
と、一紺は手の動きを止めた。
「…?」
竜胆が一紺を見やれば、彼は秘所に舌を這わせようとしていた。
大きく足を開かせて、一紺は舌を蜜壷に挿れる。出し入れを繰り返すごとに竜胆の身体が跳ねた。
「此処は、どや」
一紺は、陰核を見つけてそれを口に含んだ。
舌で転がしつつ、軽く噛んでやる。
「ああぁ…ん、あああッ!!」
言いようもない快感。竜胆が腰を浮かせて果てた。