た ゆ ん-1
あたしの名前は森田ゆん。
高校二年生。吹奏楽部でチューバを吹いています。女だてらにチューバとは……と思うでしょう。でも、この体格を見れば納得するかも。
身長172センチ。バスト96・ウェスト65・ヒップ88。(体重は秘密)
二の腕が太くてチューバも楽々扱える。肺活量もけっこうあるので、豊かな低音を出すことが出来 るのだ。(えっへん)
でも、豊かといったら、やっぱりあたしの胸。夏服なんかで歩くと、たゆんたゆん揺れるのが分かるので、男子はおろか 女子まであたしの胸を盗み見る。
なので、友達はあたしのことを「森田ゆん」ではなく「森たゆん」。今では「森」もなくなって「たゆん」と呼んでいる。
そんでもって、この胸だから、そして見た目も可愛いほうなので、電車で登校する時なんか、けっこう痴漢に遭うのだ。 最初のうちは騒ぎ立てたりもしたが、最近は、きりがないので「ああ、もう、どうぞ。お触りくださいな」状態。
「たゆん。おはよう。……今朝も電車で痴漢に遭った?」
友達、いいえ、悪友の玲奈が昇降口で声を掛けてきた。
「今朝のは、あんまりしつこく触ってきたんで、足を踏みつけてやった」
「痴漢以外の足を踏んだりして」
「そこはあたし、狙いを外しません。……外したのは昨日のテストの山かけ。さんざんでございまし た」
「物理だったっけ。……赤点になりそう?」
「うーん。……なるかも(汗)」
「もしそうなったら、身体で払いなよ。追試受けるより手っ取り早いよ。物理の先生、すけべそうな 顔してるし、たゆんの豊満ボディだったら……」
「やなこった。あたし、身体は安売り、し・ま・せ・ん」
玲奈は笑っていたけれど、本当は密かに安売りしていたんだ……。といっても学校の先生ではなく、父親(義父)が相手だけど。
あたしの本当の父親は五年前に病気で他界しており、二年前に母が再婚して、義父の金太が今、表 札の一番先に名前がある。金太ってふざけた名前だと思っていたら、行動までふざけたやつだった。父も病弱だったが、母も身体の弱いところ があり(それなのにあたしは健康優良児)一ヶ月ほど入院したことがあった。その時、金太は家にあたしと二人きりなのをいいことに、手を出してきたのだ。
まるでドラマのようなシチュエーション。あたしが自分の部屋で眠っているところを襲われた。懸 命に抵抗したが、あたしのこの腕力をもってしても、金太の力には敵わなかった。組み敷かれ、閉じた太腿に脚をねじ入れられ、ついには硬く なったペニスをアソコにねじ入れられた。そう、処女喪失だった。
母が退院するまでの数週間、あたしは毎晩のように金太に犯された。まったくもって頭にきた。金 太に対して腹を立てたが、そのうち、感じるようになってしまったあたしにも腹が立った。そうして今夜、母に用事が出来、泊まりがけで実家 に行くので、久々に金太と二人きり。それを思うと、腹が立つかわりに乳首が立ってくる……。(ほんとに困ったもんだ)