10.知らずに上がった舞台-16
「ああっ……、悠花ちゃん、イク、よぉ。ちゃんと外に出してあげるからっ、ねぇ……。出していいよね?」
「んあぁっ……、いい、……いいから」
早く、と言いそうになった。悠花もまた新たな絶頂がすぐそこまで来ていた。はしたない格好のまま、貪欲に膣壁が蠢き、村本の亀頭を引き抜きそうなほどに奥へ奥へと引っ張る。その動きに、村本は悠花の絶頂の予兆を察知し、絶叫のような大声を上げながら、揉みしだいていたバストから片手を離して、貫いているすぐ上のクリトリスを玩弄する。
「ああっ……!」
「悠花ちゃんもイクんでしょ? ……いいよぉ、イッて。何度でもイッていいんだよ。……ああ、出すよ。……ああ、悠花ちゃん。イクとき、『イク』って言って? わかった?」
激しい性交のあまり、村本に言われるがままに悠花はコクコクと何度も頷き、キスを続ける。
ほんの暫く、部屋の中にキスで舐め合う音と、その接合から漏れる息と嬌声だけが部屋の中に響いた後、
「うあっ……、ダメっ……、イクッ! イクッ! イクッ……!」
遂に悠花が村本に言われるがままの言葉を魘されるように繰り返し、腰を何度も突き上げて絶頂を迎えた。村本も男茎が締め上げられて爆発の直前で引き抜いた瞬間、さっきより更に多い潮が勢いよく尿道から飛び散った。抜かれた男茎の先端は勃起の屹立で悠花のヘアの辺りに亀頭を置いたまま、その先端から夥しい精液を噴射する。村本は約束通り、キスで顔を横に向けている悠花の頬にまで届く勢いの飛沫がかからぬように、片手の掌を広げて盾としながら、首下の誇れる肢体には尋常ではない量の精液を撒き散らしていた。
「んぁうっ!」
鎖骨にまで飛んでくるほどの射精は、バストから腹まで撒き散らされ肌の表面をヌメりで完全に覆うほどだった。バストの起伏に沿って流れ落ちてくる精液垂れが、臍の窪みに白い溜まりを作る。
「……あーあ、ドロッドロ。くぅ〜っ、たっまんねぇ」
竜二は興奮を取り繕おうと軽口を叩き、またタバコに火をつけた。消してはまた咥え、寸断なくタバコを吸っている。吸っていなければ、モニタの中の美しい女の痴態におかしくなりそうだったからだ。
「こういうキレイな女ほど、エロかったりするんだが……。これは相当だぜ?」
経験豊富な健介も、背後から村本に、かけられた精液を塗り伸ばす様に体をまさぐられても身をくねらせている悠花の乱れようには驚いていた。
「これほどの女を、こんなブタに開発させるなんて勿体無いぜ。……この部屋乗り込んで、俺たちでヤッちまわね?」
「……まあ、ガマンしろよ。そっちの方が勿体ねえ。200万、必要なんだぜ、俺たち」
「何だ? このハルカちゃんとかいうのから200も引っ張るってか?」竜二はモニタに顔を向けて、精液まみれのバストを揉み回されながらキスを続ける悠花を見て、再度健介の方へ顔を戻す。「まだ人気出始めてるとこだろ? 芸能人って、よっぽどじゃなきゃ、そんなに金持ってねえだろ?」
「この子は持ってねえだろうな」
「じゃ、あれか。このブタに追い込みかける? ポリならバレたら困るから金出すかな」
「それはまあ、……保険程度だな」
健介はスマホを竜二に渡して、顎で画面を見ろ、という仕草をする。
「何だ……?」
「この子、カレシがいる、ってのは隠してねえな。ブログにもそれらしいことを書いてるし、みんな普通に知ってる事らしい」
「へぇ……。カレシも可愛そうだな。自分の女が、こんなキモブタとセフレだって知ったら。俺だったら殺すぜ」
「ブタのほうをだろ?」
健介は笑って、スマホを操作して読んでいる竜二からモニタへ目を移した。
「は、……悠花ちゃん。こっちおいで。もっとしよぉ……」