馴致-7
指先で内外の肛門括約筋をしっかり揉みほぐした男は、恵の口から浣腸容器を取り出し、そのノズル尖端をジワジワと菊穴に押し込んでいった。
ピンクの容器から恵の直腸内へ浣腸液が注入されていく。
口内で温めた薬液と直腸内部の温度差は少なく、冷たくはなかったが、液体が体内に流入してくる感覚は三度目とはいえ決して気持ちいいものではない。恵は眉間に皺を寄せ、その時間が過ぎるのを耐えていた。
しかし、数秒の時が過ぎ、浣腸容器が空になっても、男は恵の尻穴からピンクの容器を引き抜かない。
「落ちないようにケツの穴を締めておけ。」
男の指示に従い、恵は肛門に力を入れた。
浣腸容器を差し込まれたままの肛門がキュッと締まり、皺が深まる。男が手を離したことにより、わずかに下垂していた容器がピクンと跳ね上がった。
全裸で床に這いつくばり、尻だけを高々と上げた格好の恵…腟口からはタンポンの白い紐、肛門にはピンクの浣腸容器、その周囲には濃く繁った漆黒の陰毛。
装飾品の類が一切無い無機質な部屋に、一輪の淫花が咲いていた。
「パシャッ」
男は恵の真後ろからその姿をカメラに収めた。
その後、男は肛門から容器を引き抜くと、それをビニール袋に入れ、その代わりにある物を取り出して恵の目の前に置いた。
高さは5センチ程で円筒形のそれは、木とガラス、青い砂でできた砂時計だった。砂が音も無く零れ落ち、時を刻む。
「5分計だ。これが落ちきるまではクソを我慢しろ。」
その台詞とともに男の手が恵の尻に打ち付けられた。「パンッ!」と鋭い音が部屋に響く。
「痛っ!!」
予想外の痛みに思わず声を漏らす恵。肛門がキュッと締まる。容赦無く叩かれた殿部は見る間に赤い手形が浮き上がってくる。だが、男はそれを無視して身仕舞いを始めた。
皿を回収して新しいものに替え、手際良く水やご飯を盛り付ける。最後にトイレットペーパーとカラフルなオマルを恵の側に移動させた。
ここまで3分。腹部からギュルギュルと異音が鳴った。恵の我慢はすで限界近くまで来ていた。
“…早く出て行って!”
這いつくばり眉間に皺を寄せて必死に便意を耐える恵に声がかけられる。
「予備を置いていく。必要ならもう一度自分でしておけ。」
砂時計の横にピンクの容器を一つ置いて男は去って行った。