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変容
【教師 官能小説】

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馴致-5

 床の精液を舐め終えても、恵の後頭部から男の足がどく事はなかった。

「終わりました。」

 声をかけても男の反応はない。
 どうやらベッドに腰掛け、恵の頭を踏みつけたまま、新たなタバコに火を付けているようだ。

 仕方なく、そのままの姿勢でじっと耐える恵に、頭上から声がかけられた。

「もう1カウント稼ぐチャンスが欲しいか?」

「!」

 思ってもいない問いかけに、恵はすかさず返答した。

「はい!」

 もう一度フェラができる。
 三度目から数分とはいえ、少しは休めた。これなら、もう一回くらいは何とかなる。いや、絶対射精させてみせる!


 四つんばいで頭を踏みつけられ、尻を高く上げたままの姿勢で、嬉しそうに返事をする恵。
 最初は強制的にフェラをさせられていた恵だったが、今ではフェラをさせてもらう立場になっていた。

 男はあまりの滑稽さに、声を出さずに恵を嘲笑った。

“今にも高く上がったケツを嬉しさで左右に振りそうだな。”

 フェラが『できる』と喜ぶ恵の異常な心理状態は、勿論男の誘導の賜物だが、その状態が長期にわたって維持されていくうちに、いつの間にか、だが確実に、「異常」が「正常」、「非日常」が「日常」に置き換わってゆく。戦場で軍人が人殺しに慣れていくように…。


「いいだろう。もう一度チャンスをやる。」

 恵にとって福音とも言うべき台詞には、しかし、続きがあった。

「だが、お前の口は今日はもう飽きた。かといってマンコも当分使えない。」


“…フェラじゃない?”


 思わぬ言葉に驚きと不安が湧き上がる。
 嫌な予感がする。


「ケツの穴を使ってやる。」


“やっぱり…”

 口でも性器でもないと聞いた時で、まさかとは思った。
 知識としてそういう行為がある事は知っている。しかし、当たり前だが、そんな変態のような行為をした事はない。
 夫は興味があったようだが、恵の絶対的な拒絶の気配を感じ取り、口にはしなかった。

「お尻…」

 頬に当たる床の感触も、額の痛さも忘れ、呆然と呟く恵。

 そんな恵に構わず、男は言葉を続けた。

「嫌なら別にいい。今日は仕舞いだ。だが、ケツの穴でしてくれというなら、まずは浣腸をしてもらう。腹の中のクソを全部出して綺麗にしてからなら、お前のケツの穴を使ってやるさ。」

 衝撃の提案は更に続く。

「浣腸は1回としてカウントしてやるし、クソは俺の前でしなくてもいい。ただし、浣腸とケツの穴使用は1セットで2ポイントだ。浣腸だけではポイントはやらん。タバコをもう一本吸い終わるまでにどうするか決めろ。」

 そう言うと男は三度タバコに火を付けた。


 恵は必死に考える。
 時間的猶予はほとんど無い。

 お尻でするのが変態行為であるとの認識は変わらない。でも、それならおしっこを飲む事の方がよほど異常だろう。
 自分が体験した事こそ無いが、お尻でした事があると下品な自慢をしていた知人を知っている。
 飲尿ははっきりと異常だが、お尻でするのは正常の範囲を少し越えた程度の行為なのかもしれない…。

 恵の思考は確実に一定の方向性を持っていた。

 思考は更に進む。

 アナルセックスならば妊娠の心配はない。しかも浣腸とセットで2ポイント。
 おしっこを飲んで1。フェラチオで2。浣腸とお尻で2。1回の接触で5ポイント稼ぐのがかなり容易になる。
 今日は自由な手を使ってかなり頑張ったけど、それでも5には届かなかった。両手が使えなくなる明日以降は更に厳しいだろう。
 アナルセックスは確かにアブノーマルな行為ではあるが、でも、この状況なら…。


 男は恵が辿り着くであろう結果を知っていた。そんな男にしてみれば、この時間は全く無駄でしかない。

 男は恵の頭を踏みつけながら、無表情で紫煙を吐き出すと、この時間を短縮する為に最後の一言を投げかけた。

「特別に、今回は浣腸とアナルセックスを別日に分けてもいいぞ。」

 恵の身体がビクリと震えた。
 意を決して言葉を口にする。

「…お尻で…します。」

 男は反応しない。
 恵はすぐさま言い直した。

「お尻を…使って下さい。」


 ついに、恵は頼み込んだ。夫すら踏み込んだ事のない未開の地を蹂躙してくれと。
 全裸のまま額を床に擦り付け、腟口からタンポンのヒモを垂らした尻を高々と上げた格好で。

 恵の頭からようやく男の足が離れていった。


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