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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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僕だって!-8

「えっ!?警察が動いてくれない?」

杏を交えた美術室で、耳にするまさかの結果。
 親に相談し、オジサン達とで警察へ行き、これまでの事を洗いざらい話した。
 しかし警察は証拠が足りないとかで、取り合ってはくれず。

「まぁ、今の所無言電話に鳥の死骸だけですし、付きまといだって気のせいと言われれば
それまでだし、もっと沢山の証拠があれば…。」
「何だよソレッ!それじゃー杏がこれからもっと酷い目に遭えばいいって言うのか!」
「あぁ、いやそういう訳じゃ」
「絆…」

またしてもヒートアップしてしまった、彼女の事となるとつい。

「警察は動けない、増して動くまで被害に遭うのを指をくわえて待ってたら」
「嫌だよそんなの、それじゃー警察が来る頃には杏はもうボロボロになっちゃうよ」

困ったものだ、警察をアテにしていたのに…。

「こうしてる今もストーカーは何処に潜んでるのか解らない、ひょっとしたら学校に
侵入し、密かに私達の会話を聞いてるかも知れない…」
「杏…」

相手は人に怖い思いをさせても平気なやからだ、次はどういう悪行をやってくるのか一切
解らない、解らないからこそ恐い。

許せない

大好きな彼女から、かけがえのない笑顔を奪う何て…

「なら、今日は家まで君を送る、ボディーガードをする」
「ヒュー♪あっスイマセン、それなら彼女も安心ですね」
「でもそれは送るまでよ、一番はそのストーカーがお縄に頂戴する事ね」
「…出来ればこの時に犯人が現れてとっ捕まえてやりたい」
「絆…」

とっ捕まえると言っても僕は文系で、そんな凶悪犯に胸を張って立ち向かえる筈が無い
 でも人間と言うのは時に、無理と解っていてもやれなければならない時がある。
 それが大切な人を護る為ならば尚更。

「安心してくれ杏、もう君に恐い想いはさせない、ストーカー何か必ずとっ捕まえてやる
そうしたらまた、僕の大好きな君の笑顔に、出会えるかな?」
「……えぇ、勿論だよ!」

自信に満ち溢れた目で彼女を見て、両肩を力強く掴み、そう宣言する。


「それでさぁー、加藤君と伊藤サンが大喧嘩しちゃってさぁー」
「うぇーーそれは何とも言えませんなぁー」

お互い笑みを浮かべ、楽しい話題で盛り上がる、こうしてストーカーへの恐怖心を忘れ
 させ、彼女が僕に合わせ無理に作り笑いをしているのではと疑ったが、その明るい顔を
見ていると、そんな嫌疑を掛けた自分が馬鹿馬鹿しく思え。

「それじゃー私はここで」

すっかり打ち解けた彼女は、分かれ道の所で、僕と別れようとする、が。

「家まで送るって」
「いいよいいよ、ここまでくればもうちょっとだ、犯人だってもう諦めたんじゃない?」
「でも…」

確かに彼女の言うように、学校からここまで特に何事も無かった、それに家までついて
 行き送る事までしたら彼女だって気を遣うだろう。

何でも自分で正しいと思う事をすれば良いってもんじゃない、相手の意見にもしっかり耳を傾けてあげなければ…。

「うん、分かった!気を付けてね。」

そう言って僕は不安で付いていてあげたい気持ちをグッと抑え彼女に背を向けた。

この分だとストーカーも彼女を襲ったりはしないだろう。そりゃー犯人は許せないけど
 これで被害が収まるのならこれで良しと出来る。

さて、公言した通りこっからは絵に専念しなければ、大分画力も落ちただろうし、
 伊藤サン曰くコンクールまでに絵を完成させなければ。

一つの区切りをつけ、家に帰り早速取り掛かろう。
 そう考え安心しきっていた頃、同じく警戒心を解いていた彼女の元に悪魔の手が伸び。



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