はめ殺し-9
「ああー…………。い、いやぁ…………」
瑞江の甲高い声が漏れる。今度はクリトリスだけを舐められる。いつまでも、いつまでも……。
「いやあーん。…………だめよ。…………だめ」
そうして、陰核へ与えられる丹念な愛撫がついに功を奏する。
「だめぇっ！」
ひと声叫んで、瑞江の身体が跳ねた。この日味わう一回目の「逝き」だった……。
浮浪者は、しばらく女を観察していたが、中指をしゃぶって湿らすと、膣へと挿入した。そして、腹側の襞を入 念にまさぐり始めた。
「ああ〜ん。……あう〜ん」
瑞江の声が甘く漏れる。そして、男の中指が彼女の膣で最も感じる部分を探り当てると、
「んあっ！」
彼女は素直に反応を見せ、浮浪者に「そこよ、正解」と態度で示した。彼はピンポイントで女の泣きどころに圧を 加え始める。
「ああーーーーん。ああーーーーん」
中指一本だったのが人差し指も添えられ、圧が倍増する。
「ああーーーーーん。……んあーーーーーん」
瑞江の漏らす声が熱を帯びてくる。いつの間にかヴァギナからは白い液体が流れ出し、会陰を伝って肛門にまで達 していた。そして数分後、彼女は指によって達した。
「いやあーーん。……イク。…………イク。……………イクッ！」
女体の跳ね上がりは、今度は二度、三度と続いた。そして、瑞江は軽くクラクラした。そうなりながら、彼女は 思っていた。
（ペニスが入る前に、もう二回、達してしまった……。これで挿入されたら、何度逝ってしまうんだろう……）
そして、瑞江の危惧、というより期待が現実となる。浮浪者の一物が、いつの間にか充ち満ちて腹を叩くまでに なっており、臨戦態勢の男が彼女の上に覆いかぶさってきた。ああ、挿（い）れられる、と瑞江が思った時、浮浪者がぼそっと言った。
「コンドーム、付けなくていいの？」
瑞江は「あっ」となった。
「ご、ごめんなさい」
彼女はやんわりと浮浪者を押しのけ、ベッドサイドチェストからコンドームの箱を取り出した。中にはひとつしか 入っておらず、なけなしのそれを男に手渡した。浮浪者は慣れた手つきで避妊具を装着すると、いよいよもってセックスに取りかかろうとし た。
男 はペニスの先を女陰の潤いで湿し、挿入を開始した。ゴムで幾分抑えつけられているものの、リアルフィットのコンドームのため亀頭は十分に エラが張っている。それは膣口の抵抗に遭った。だが、浮浪者は体重を徐々に掛けてくる。瑞江は思わず腰を引く。