投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

好き…だぁーい好きなんだからっ!の最初へ 好き…だぁーい好きなんだからっ! 76 好き…だぁーい好きなんだからっ! 78 好き…だぁーい好きなんだからっ!の最後へ

親対子-3

「オーイエイ♪ナイスファイトネー♪」
「はぁ、有難うございます。」

180cmほどある巨体で金髪に蒼目な、看護服を身に纏った男性が、リハビリに励む絆
の横で手取り足取りサポートしている。

「イエス、イエス!オーケーソノママユックリネー」


「お疲れさん」
「ホントだよー、この前まで体動かしてなかったからか、結構キツかったよ」

廊下で医師や看護士、患者に見舞い客と次々にすれ違いつつ、私は彼を労う。

「でも、お陰でだいぶ動きが好くなったんじゃない?」
「うん!足の痛みとかこの前に比べて軽くなった」

元に戻ったとは言えないものの、前に比べてハキハキと動く彼を目にする。

あの外国人看護士サン、少々チャラいけど腕は確かなようだ、的確なアドバイスに絶妙な
厳しさと優しさで。

「それでさぁー、仕舞いには君可愛いねって」
「あっはっはぁ、ユニークよね、それに関しては同感ね」

他愛も無い話で盛り上がっていると、両親に付き添われパジャマ姿の女の子とすれ違い
 お互い顔を見合わせ笑みを浮かべ楽しそうにしている。

その姿を見て、表情を沈める絆を目にし。

「絆…」
「何だかもう免疫力付いちゃったからかも知れないケド、時々寂しく、感じるんだよね」

彼の両親は未だ息子である彼の元へ見舞いには来ない。私はかつてそんな親に喫茶店で
 問い詰めた日の事を思い返す。

「君の所は良いよね、気の合うお母さんがいて」
「いやー、でもアイツは駄目よ、未だ絆の事を」
「オジサン…」

ふとアイツが絆を馬鹿にした夜を思い返す。
 親に恋路を非難されて不快に感じない子供はまず居ない、そして私たちも例外無くその
一人、不満が無いと言えば嘘になる。ダガそんなの関係は無い。

「でも良いじゃん、別に!アンタは無事にリハビリが出来る訳だし、後はこのまま退院して、そして…」

退院したら一緒に旅行に行こう!

彼がそう言ってくれた事を思い返す。

何処へ行こうか頭で色々膨らます私。そんな私の気分に横槍を入れるかの如く、聞きなれた暗い声を耳にする。

「このまま退院、出来ないかも知れません」
「先生?」

深刻な面持ちで、私達の前に立ち。

「どういう事ですか先生、リハビリ代ならこの前彼女が」
「それなんだけどね、実は…」




好き…だぁーい好きなんだからっ!の最初へ 好き…だぁーい好きなんだからっ! 76 好き…だぁーい好きなんだからっ! 78 好き…だぁーい好きなんだからっ!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前