「アルデンテに勃ってみて♪」 -6
翌日、勝負の判定が出た。結果は……
ドロー。
「引き分け? なんでえ?」
「なんでって、とま子」シェフが苦笑いをしながら言った。「おまえ、いっちゃった時頭を左右にブンブン振っただろ う。その時、測定器が外れて肝心なピーク時のデータが取れなかったんじゃないか」
「えーっ。そんなの覚えてない!」
ふくれっ面をすると、
『とま子さん、物凄い頭の振りだった。中国で見たカラフルな獅子舞より激しくヘッド・シェイクしていたよ。あれ じゃ計測不可能ね』肩をすくめるビアンコ。『でも、正直なところ、わたしのペニスとシェフのあれ、どっちが味よかった?』
聞かれてあたしはチンチンモッコリ…いや、沈思黙考した。ビアンコのは長くて太いけど、ちょっと柔らかめ。シェフ のは雁高で硬いけど、少し短かめ。うーん、甲乙付けがたい。
『どっちのがいい?』
ビアンコに詰め寄られ、思わず後ずさる。
「おい、どっちだ?」
シェフに脅され、強ばった笑みが浮かぶ。
……んー、もうあたし、開き直るしかないみたい。
「どっちのチンポもアルデンテ!」
やけくそで叫ぶと、ビアンコが目を丸くした。
『アルデンテ? いい食感?』
「うん噛み心地がよかったよ」
今度はシェフが目を剥いた。
「噛み心地? とま子のオマ○コには歯が生えてるのか?」
「歯なんてないけど噛み締められるもん。どっちも十分美味しゅうございました! アソコからゲップが出るほどね」
「ゲップって……恥ナラか?」
「えええ? 違うもん!」
シェフは笑い転げ、イタリア人は「マンマミーア」と言うつもりが、ミのところで吹き出してしまった。おかげで空気 がなごみ、シェフとビアンコの間に、わずかながら「穴兄弟」という意識が通い始めたようだった。
「これからは二人仲良くあたしと付き合ってね」男たちの股間に微笑みかけた。「さあ、手始めに、アルデンテに勃っ てみて。二本まとめて面倒見てあげるから♪」
(おしまい)