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ハツミ
【OL/お姉さん 官能小説】

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トモキ 2nd Story-1

―今俺はもうどうしようもないこの気持を持て余している…。
その理由はあの出来事がきっかけだった。


その日は店の仕事が早く片付き、特にあてもなく夕方の街を歩いていると、前方からロングヘアーが印象的な女の人がやってきた。
整った顔立ち、どんな服でも完璧に着こなすであろう抜群なスタイル、風になびく長い髪、表情にも現れた大人な雰囲気、どれを取っても美人と呼ぶにふさわしい。
一瞬声をかけようかと思ったが、俺がみとれて足を止めた事に気付かずその人は横断歩道を渡り車道の反対側へと行ってしまった。

学生の頃にはよく街で女の子に声をかける事もあった、成功率も悪くない!
けれど彼女の様な大人な雰囲気を持った人には相手にされないかも知れない…。

―駄目モトでも…

そんな事を思いながら彼女の行く先を目で追うとケーキ屋の前で足を止める。中に入ろうかどうか迷っている様子からして待ち合わせなどではないようだ。

―声をかけるなら今だ。

そう思った俺はガードレールから身を乗り出し、彼女に向かって叫んだ。
「ラズベリーのタルトを2つテイクアウトして下さい!!海辺でロングヘアーでちょっとお姉さんな彼女と食べたいから!」
彼女がこんなふざけたナンパにどう反応するかは賭けだった。

―しくじったかな…。

俺は言ってから少し後悔した。
けれど彼女は
「いいよ!ご馳走してあげる!但し食べるのはこのカフェテラス。その後の事は相談しましょ!」
と言ってくれた。

テラスで向かい合うと俺は彼女のどこか洗練された柔らかい物腰に釘付けになった。

―こんな人と毎日一緒に過ごせたらどんなに幸せだろう…

そう思った俺は少しでも彼女と過ごせる時間が欲しくなり、ちょっと苦しい口実ではあったがタルトを食べ終えた後の約束も取り付けた。
それと嬉しい事に彼女は年下、というか可愛い男の子が嫌いではないようだ。会話の中で何度か俺の事を可愛いと言い微笑んだ。その微笑んだ笑顔が眩しい…。

その後俺と彼女は彼女の馴染みのセレクトショップへと足を向けた。彼女が可愛い俺にはリボンが似合うといい、リボンを選びに来たのだ。
俺の髪はいわゆる襟足を伸ばしたロングウルフ。若いこ向けの服や装飾品の販売の仕事をしている為それなりに身なりには気を遣う。ウルフの長い襟足が仕事仲間やお客さんから随分評判が良かっため襟足は切らずに伸ばしていたのだが、今じゃ肩胛骨の少し上の辺りにまで伸びている。普段は邪魔にならないように後ろで1つに結んでいるのだが、彼女はそこにリボンを結ぼうと言うのだ。

だが流石にリボンをつけて歩くのは恥ずかしい!せめて2人きりの場所でなくては。
それを口実に俺は彼女をホテルへと誘う。
もちろんストレートに誘う訳ではなく、少し遠回しに言ってみたのだか彼女は笑った後あっさりそれを快諾。
あまりにも簡単に彼女が答えたので、俺は本当に彼女はこれから俺がホテルに行こうとしている事をわかっているのだろうか…。


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