8.女神の宣託-4
「……、ああっ、か、嗅いでいい? 悠花ちゃんのエッチなパンティのニオイ……」
村本はクロッチを指で広げながら顔を近づけようとする。
「わっ……、やめてっ。ダメっ……、やめてってば!!」
悠花の制止を無視して村本はメガネをかけたまま、下着で覆面をするかのように顔面を被ってしまう。下着越しに垣間見える村本の目は失心寸前の色となって、口元に被さった薄布が荒い呼吸に合わせて膨らんでいる。悠花の視界でもクロッチを起点に後方まで色濃くなって広がっている染みが、ちょうど村本の鼻から顎まで覆ってしまっているのが見えた。あまりの恥辱の光景で、いよいよ村本を蹴りあげて悶絶させてでもやめさせたい、そんな発想で狙う先の男の股間にぶら下がる陰嚢へ視線を向けた。
「ぁぁ……、は、は、悠花ちゃんのマン汁、すっごぉく、エッチでおいしいぃ……。ああ、イッちゃう……、マン汁でぇ……」
全裸の上に女性物の下着を顔面に被るという変質極まりない姿で、中腰のだらしない姿勢のまま腰を前後すると、またも手淫なしで爆発を起こしていた。
「はあっ……、俺の顔にいっぱいついてるよぉっ、マン汁っ……。ああふっ! ……出るっ、チンポっ……。ほら、すっごいでしょ? ……悠花っ、ちゃんっ、の……、せいだよぉっ……!」
(……!!)
悠花の視線の先では、ガニ股になって腰を少し下ろし、両手を左右に広げて奇妙なポーズをとりながら、先端から精液を溢れさせる度に腰を前へ突き出すと、先に発射された精液がコンドームの中から押し出されて垂れ落ちてきたものが、陰嚢からぶら下がっていた。
「あっ……! ちょ、ちょっとっ……! どいて! ……どいてって!!」
コンドームに沈殿していたほどに濃い精液の雫垂が、幹を流れ落ちてくる精液に絡められれるように、真下に糸を引いて陰嚢から垂れてきているのが見えた。左右どちらに身を捩っても、悠花の太もも辺りに着地してしまう位置である。悠花の言葉は射精中の村本の耳には届いていないようで、恍惚の表情で男茎を蠕動させながら電気ショックが与えられているかのようにランダムな感覚で腰を前後に揺すっている。
腰が突き出される度に、垂れた精液が伸びて悠花に近づいてくるのだ。
「うわっ……! まっ……、そこどいて! ねえっ! 落ちてきてるっ!」
淀んだ精液の雫は揺れながら悠花の太もものすぐ近くまで垂れ落ちてきていた。それが太ももに、肌に直接触れる時のことを想像するとゾッとする。どれだけ訴えても村本は腰を揺するのをやめない。
「ふあっぐっ!! ふぁあっ……」
下着を顔面にかぶりながら奇妙な声を上げて、メガネのレンズの向こうの村本の眼は、涙を流しており焦点は定まっていなかった。
「ちょっとっ!!」
無理だ――。更に先端から噴出した精液が幹をドロリと流れ落ちて、振り子のように揺れている雫の足へ合流しようとしているのが見えた瞬間、悠花はその両足を急いで外側に開いた。間一髪、精液の雫がポトリと開いた脚の間にできたスペースへ落ちる。
「ふぁっ……、ああっ!」
村本の目の前には、内ももの吸い込まれそうなほどの麗しい肌が左右から合流し、めくり上げられているスカートの中央でさっきまではピッタリ脚を閉じ合わせていたために僅かに頂点だけが覗いていたアンダーヘアの茂みが深奥まで晒されていた。日々の手入れによって美しく整えられた茂みは、下腹部の下側から慎ましやかに始まり、限られた者にしか到達することを許されない深い狭間へ生い伸びて、健康的で艶かしい下腹部に美しく映えていた。
瀬尾悠花は、股間の様子まで並の女ではなかった。温泉でのコンパニオンや様々の店で会った風俗嬢のように無造作に生い茂っているわけではなく、神秘の部分を整然と彩っていた。しかもその茂みは、下着の中ではしたなくも漏らしてしまった歓喜の汁液によってしっとりと肌に貼りついている。