8.女神の宣託-16
後ろから入口を圧迫される。ヒップだけを高く上げたその中心で零れ出た精液の滑りに縁取られている扉口へ大きな亀頭が侵入を開始した。
「んんっ!!」
俯せた喉の奥から声が漏れる。
「んあぁ……、バックからチンポ入れるのイヤラしいよぉ……」
膝立った村本の眼下には、獣のスタイルを取った悠花の美しい肢体があった。小さなヒップだが、ウエストの括れによって、女性らしい、芸術的とも言える曲線美を呈している。その中心で、大量の精液に犯された花園が、まだその高貴な様相を保ちながら、恐れと期待を表すようにヒクついていた。そしてそのすぐ上部で、今初めて見ることができたもう一つの窪みが、悠花が荒い呼吸をするのに合わせて、緊張と弛緩に動いていた。
「お尻の穴も丸見えだよぉ? 悠花ちゃん。くくっ……。はっずかしいカッコ」
「!!……、見るなっ! 死ねっ!!」
後背位を取らされたショックで気が回らなかったが、そのような格好をしている以上、村本の言うとおりに、誰にも見せない場所を晒していることに気がついた。背後が隠せないのは、花園も菊門も同じで、どれだけ村本に揶揄されても、その視線から逃れることはできなかった。
「じゃあ、いっくよぉ……」
亀頭を少しだけ入れた状態で、両手で悠花の細く括れたウエストを掴んだ。呼吸を整えると、腰を前に突き出すと同時に、悠花の腰を引き寄せる。
「キャウッ!!」
悠花の桃肌に村本の下腹がパンッと大きな音を立てて打ち付けられるのに合わせ、あまりの衝撃に奇妙な悲鳴をあげてしまった。さっきまで犯されていたのとは全く違う角度だった。しかもこれまで正面からしか男を迎え入れたことがない悠花にとっては、背後から挿入されてくる角度は生まれて初めてで、その擦り方はあまりに刺激的だった。たった一度擦り入れられただけで、ビクビクと腰と太ももが震えて亀頭をキュッと締め付ける。花園の奥の内壁が持ち上がるように畝り始めているのを感じた。
(……またっ、来る……)
その蠢きは絶頂を予感させるものだった。こんな体交を連続で繰り返されては、一溜りもない、その恐れを感じた矢先に男茎がヌルリと引かれていく。
「ハアァッ!!」
パンッ……、古いアパートの室内に、二人の肌が鳴る音と高い悲鳴が響く。「あっ……、あ――」
悠花は畳にぬかづく体勢で、顔を伏せ唇をパクパクと震わせながら全身を痙攣させていた。
「あはっ……、バックからパンパンしちゃうよぉ」
亀頭を引き抜きながら、甘ったるい声で呼びかけれられる。
(だめっ……)
そう思っても声となって出てこなかった。悠花の身体はもう、男茎が何度も連続で擦り、あの狂おしい絶頂感に追いやるのを待ち望んでいるのだ。
「はあっ……、う……、あ……、うおっ!! ……、うおおっ!!」
「んあぁっ!! ……きゃあっ!!」
一回、二回、続けざまに後ろから打ち付けられる。
(ああっ……、来ちゃう……!)
次に打ち付けられれば、絶頂に導かれる――。膣の奥がその期待感に緊張して震えて待ち構えるが、いつまで経っても三回目の衝撃はやってこなかった。村本は二回目に侵入して奥まで打ち付けたまま、歯を食いしばって亀頭を子宮口に擦りつけ息を整えていた。
「ほら、悠花ちゃん……」
「あ……」
前のめりになりながら、悠花の両肩を手で抱えるように引き起こす。フラつきながら、繋がれた両手で身を起こすと、膝と腕との三点で身体を支えた四つん這いのポーズにされ、更に背中を擦られて反るように仕向けられると、ヒップを付き出したような淫猥な獣の体勢になってしまう。
「……悠花ちゃん、俺とキスしたくなってきたぁ?」
「んっ!……、だ、から……、絶対、あんたなんか……」
言い終わる前に、四つん這いの体に後ろから串刺しにするような衝撃を見舞われて、
「キャンッ!!」
まるで子犬のような鳴き声を上げて身を震わせた。
「ほらぁ、見てご覧よ、前……」
「……」