彼女を、支えるもの…-3
「良かったね、水色のがあって」
「ホント」
茜色の夕日が照らされる中、私はそのまま母と自宅へゆったりとした足取りで向かう。
満足気な顔で、花束を握る私、そんな娘を見た母がふいに口を開く。
「どう?彼の具合は」
母の突然の言葉に、上機嫌に軽く左右に振っていた花束を止め。
「…落ち込んでるよ、私の言葉に全然耳を貸さない、でもっぎこちないけどちゃんと一人で歩けるし、食事だってちゃんと口にしてるし」
「そう。」
ごくありふれた吉報、だがそれを報告する娘の表情が暗い事を、母は見逃さず。
「元気出して、アンタまでそんな顔をしてたら、彼だって元気になるものもなれないよ」
「お母さん…。」
「そう、そうだよねっ!」
「うんうん、アンタは元気だけが取り得何だからサッ」
母の明るい励まし言葉、何だか、暗く寂しい物置小屋から扉が開き、救出された気分
「元気だけ、は余計だっちゅーの!」
ありがとう、お母さん。