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カウントダウン
【女性向け 官能小説】

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「5年前。私が女の子の反応が怖くて、付き合いを内緒にしておくように
お願いしたの」
「ふ〜ん」
「でも自分から言い出したのに。
人前で話せなかったりして、寂しくなって」
「うん」
「メールも挨拶ぐらいだったし。だんだん付き合っているのが
現実に思えなくなって」

涙が流れる。
あの時泣けなかった涙だ。

「そんな時、蒼くんが女の子に好きな子はいないっていうのを聞いちゃって」
「え。それはちがっ」

蒼くんが慌てて否定しようとした言葉を
元カレが手で制した。

「誰とも付き合わないよ。って言ってて。
あぁ、私と付き合っているのは一人よがりだったのかな。って」
「里香。それは違うっ。
里香は俺たちのことを秘密にしておきたがったから。
誰にも好きな子がいるって言えなかったんだ」
「うそ」

「俺が好きな子がいると言ったら、あの子たちは
絶対に突きとめようと必死になってたよ。
もし里香の事があの子たちにバレたら。里香に何かあったら。
俺は自分を許せないと思ったんだ」

「おいで」
そっと蒼くんが伸ばした腕の中に
自然に引き寄せられてすっぽりと私を包み込んだ。

「メールがそっけなかったのは。
どんなメールをしたらいいか分からなかったから。
本気だったから、嫌われるのが怖くて。
16歳の俺は何を話したらいいのか分からなかった。」

本気だったから。
そう言ったところでぎゅっと私を抱きしめた。





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