永遠の夏-2
しばらくして彼女が笑顔で帰ってきた、ほんのり薬局の臭いがした……
帰り道俺はこれは現実なのだろうかと思った
クラス一かわいい高山と自然に手を繋ぎ夜の町を歩いている…
もうすぐ高山の家だ
(ここで言わなきゃいつ言う?)
「あのさ……」
「うん?」
「…………来週は俺がどっか連れてってやるよ」
「ホント?うれし〜」
精一杯だった………
「じゃ来週日曜、清瀬駅19:30な」
そして俺らは毎日一緒に登下校した
ある日のの昼下がり、いつものように下校していた
「貴は将来何になる?」
「わっかんね、でも一応医学部行くつもり」
「すご〜い、やっぱ貴頭いいもんね〜どうゆ〜系に進むの?」
「えっ全然決めてない、でも一つだけやりたい事はある」
「なになに?」
「いい大学入って、つえ〜医者なって〜絶っっっ対にお前なおす」
「…………ありが…とう」やっぱり泣いている
「ほれ、泣くね」
俺のハンカチを握り締め、彼女はずっと泣いていた
……俺が見ても分かるくらい高山の状態は悪くなっていた………なのに…常に笑顔だった……………………………………………………………夢はすぐ覚める……………………………………
日曜日19:30高山の姿は無い、電話にも出ない……
(どおしたんだろ)
妙な胸騒ぎがして
俺は決心し、高山の家へ電話をかけた
「モシモシ」
かすれたか弱い女の人の声がした
「あ…あの塚田ですけど高山さんどおしてます?」
「…………あなたが塚田君ね玲奈から色々聞いたわ……最後もあなたの所に行きたがってた………ウッ…家の子今日なくなったわ」
「…………………………………………………………………………………………………………………」
泣いた
泣いて泣いて泣きまくった
世の中ってこんなに酷かったか………………………?神を恨もう…………………この世の中を恨もう………いやそんなことしても何も変わらない…………………玲奈の後を追おう…………♪♪♪…♪♪♪…♪♪♪…電話か…
もういーや
しかし、それは玲奈の携帯からだった!!!
「も…もしもし!?」
「もしもし…ごめんなさい…玲奈の母ですあなたの番号が分からなかったから」「あ……そうですか……」「今から家に来れます?渡さなきゃいけない物があるの」
「………分かりました」
何回も車に退かれそうになりながら通常の二倍かかって玲奈の家に着いた
ピンポーン
ガチャッ
「始めまして」
玲奈のお母さんの目と頬は涙で濡れていた……
「これ、あの子があなたにそのまま渡して欲しいって言ってたの」
渡されたのは、あの日貸した俺のハンカチだった……「わざわざ来てくれて、ありがとう」
「いえ……失礼しました」帰りながらまた泣いた泣いても泣いても止まらない
涙を拭こうとハンカチを開いてみると、そこには見慣れた丸い字で玲奈からの手紙が書いて有った…………《貴へ………………………黙っててごめんなさい…私助からないって分かってたの…貴と過ごした日々とっても楽しかった…もっと生きたかったな〜、貴といろんな事したかった…今頃言うけど、ホントに貴のこと好きだった…大好きだったホントだよ?………後…貴の夢…叶えてね、私みたいな人助けてあげて、短い時間だったけど生きててよかったと思えた、ホントにありがとう》
また涙が溢れでた
生きよう、そして俺と玲奈の夢を叶えよう……………………………………………玲奈の笑顔が見えた気がした………END………