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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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決意-6

以前見た光景と差ほど変わらない病室。ただベットの上に前は空っぽだったベットに今度
は本来いるべき人間が居る事を除いては。

「きず、な…」

私のか細い声に、聞こえては居るが、返事をしない絆。その表情は私が思った以上に暗く
生気を抜かれたボロ人形のようで。

「怪我は、大丈夫?痛い所は無い?」

彼に歩み寄り、優しい口調で言うも、反応は無く。

来たは良いけどこの先どうしたらいいのだろう、「何であんな事したのっ!」と問い詰めたいが、何だか聞ける感じでは無く、お互い重い空気に圧し掛かれていると、彼がゆっくりと口を開いた。

「僕………何で…生きてるんだろう?」
「へっ?」

彼はアノ日確かに学校の屋上から飛び降りた。しかし後から先生に聞くと偶然彼が飛び降りた先に、芝刈り機で切った草の山があって、彼はそれによって衝撃を辛うじて和らげれて、遠くて単純に草の山に気づかなかったのか、それとも死のうとしているギリギリの精神状態の中、自分でも気づかない所で、生きたい、って言う意思があったか。

彼は言葉通り、飛び降り自殺をした筈なのに、空の上ではなく、その下に居る事に疑問を抱き、生を確認するかのように、自身の両手の平を不思議そうに見つめ。

「絆…」
「……何で、何でなんだよっ!」

静寂な病室で、突然温厚な彼からは想像も出来ない怒号を響かせ、思わず肩が竦み。
 そして彼は、腕に付けられたチューブを乱暴に取り、近くの棚から置かれた見舞い用の梨から、それを刻んだナイフを手に。

「ちょっとっ!!」

案の定、再度死のうとしだし、手首にその刃を近づけるも、私は全力で止めに入り。

「止めてっ!止めてってばぁ、絆ぁっ!」
「離せっ!離せよっ!もう生きてたって仕方が無いんだっ!だからぁっ!」

私は、彼からようやくナイフを取り上げソレを適当に床に叩き投げ、彼の頬を思いっきり
引っ叩いた。

「うっ、うう…」
「はぁはぁはぁ。」

再び落ちついた病室、向こうから彼の怒号を耳にし、ゆっくりドアを少し開け、様子を伺う菫。
 彼は、赤く腫れ上がった頬を片手で押さえ。

「ねぇ!一体どうしたって言うのよっ!私アンタが飛び降りてからホントに心配だったんだよっ!。生きてるかどうかさえの不安も感じて食事も喉の通らない、夜も眠れない、授業だって全然集中出来ない、部活だって休みっぱなしっ!仕舞いにはアンタの葬式に出る
夢まで見たんだよっ!」

溜まった思いを爆発させ、力強く彼の腕を掴み、乱暴に揺する。

「だって、だって仕方が無いじゃないかっ!僕は死ぬんだよ、それなのに今更」
「!!…、何よそれ、以前までの元気はどうしたの?私を包み込んであげるって悲しい思いはさせないって言ってくれたの、あれは嘘だったの?」
「……っ!」

返す言葉が無い彼、目を必死に逸らし。

「僕、恐いんだ…、母さんに「死ぬ事を軽く見過ぎ」って言われて、大好きな叔父さんが
亡くなって、それで、死、って意味を目の当たりにして、それで、それで!」

彼が思い悩んでいたののはこういう事だったのか。
 乱心し、滝のように号泣する絆。どうしてそれを打ち明けてくれなかったのっ!
 そう怒りを抱きつつも、幾つかサインを送っていたのに、それに気づかずあろう事か
 様子見した私にだって責任はある、幾ら菫に薦められたからって。

私は、全身を震わせ、絶望に打ち引かれる彼を、両腕強く抱きしめ。


大丈夫、大丈夫だからぁ

絆は私が護る、絶対にっ!

気づいてあげられなくてごめんねっ!

苦しかったよねっ!恐かったよねっ!

でも、もう大丈夫だよ、私がついてるからぁ!


今度こそっ!今度こそ、私は彼を見放したり何かしない
 私は、その決心と共に、未だ震える彼を強く抱き締めた。


次回、8話へ続く。




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