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吉原昼景色
【歴史物 官能小説】

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第三話 深肛悦-2

「ちょいとおまえ。下帯はずして、なにを出してごらん」

「え? なぜです?」

「いいから出しな。さ、早く!」

花魁にきつく言われて歓八は、膝立ちになって、しなびた状態の男根を二人の前に晒した。

「霧舟、その珍宝をしごいて大きくしてやんな」

「面倒くさいけど……、しかたありんせんねえ」

振袖新造の若い手が幇間の陰茎をさすると、やがて、それは張りを帯び、太長くなった。

「ほら、歓八の魔羅だって六寸(約18セ ンチ)はある立派なもんだ。でも、異人のは九寸だからねえ。さすが百戦錬磨のあたいでも、全部は呑み込めなかったか……」

姉女郎の言葉に、

「ちょうどこれくらい余ってた」

霧舟が歓八の肉茎の付け根で親指と人差し指を少し広げてみせた。すると、タマがむくりと起き上がり、しおれか けてきた男根に近づき匂いをかいだ。幇間が戯れに肉竿を揺らすと、猫は反射的に前足でそれを払った。

「うわっ!」

股間を押さえ、縮こまる歓八。わき上がる女二人の笑い声。花魁とその妹分は、しばらく腹を抱えて転がってい た。が、タマがどこかへ遊びに行くと、幇間が大事なものを下帯に仕舞いながらこんなことを言った。

「異人の長魔羅。ありゃあ、ぼぼには完璧には収まらないでしょう。なにせ陰戸(ほと)の奥には子宮が鎮座まし ましている。ところが、けつの穴だったら、どこまで行っても腸(はらわた)だ。どんな長尺物でも余すことなくはまるんですよ」

「知ったふうな口をきくじゃないか」

花魁に言われると、歓八は自分の体験談を語ってきかせた。

若 い時分、陰間茶屋で男娼をしていた時のこと。客の住職(男色の客には僧侶が多かった)が張形を持参したことがあった。それがなんと九寸を 超える長いもの。若い歓八はそんな異物を尻の穴に突っ込まれた。はじめは難儀したが、張形で遊ばれているうちに、いつしか長尺すべてが 入ったという……。

そ れを聞いて、霧舟が興味を示した。

「だったら、あたいが後ろの穴で試してみたいよ。異人のあの長魔羅が全部入るかどうか」

指を組み合わせ、身をくねらせる娘を見て、歓八と霧橋は顔を見合わせた。



 ところが、後日、霧舟の願いが叶うことになってしまった。

葉 月の、まだ暑さが残る頃。以前、吉原を訪れた異人たちが長崎へ帰ることとなり、江戸の名残にと、また昼見世へ顔を出すことになったのだ。 豪丸屋には例の黒い異人が幕府の侍二名とともに登楼することになったが、あいにくその頃は「吉原俄(よしわらにわか)」の真っ最中。遊郭 の目抜き通りである仲の町で、芸者や幇間たちが即興の芸や寸劇を見せる催しで賑わっていた。異人が来る日、霧橋花魁は自分の一番の馴染み である分限者の札差(裕福な金貸し)とともに俄見物へ繰り出すことになっていた。そこで姉女郎の名代として振袖新造の霧舟に白羽の矢が 立ったというわけだ。ところが……、


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