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カウントダウン
【女性向け 官能小説】

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綺麗に整頓された部屋で
ほんの少し机の上に本が開きっぱなしになってる。
あ。今日行った水族館周辺の本。

本当に蒼くんが今日のデートを楽しみにしていてくれたことが
嬉しくて、その本を手に取ってみる。

「勝手に見るなよ」

缶ビールを持ってきてくれた蒼くんは
本を取り上げようとするけど
私は意地悪く
「ね?今日の事楽しみだった?」
なんて聞いてみる。
蒼くんの言葉で、声で聞いてみたい。

「楽しみだったよ」
「うん。私も。凄く楽しかった。ありがとう。
5年前。デートすればよかったね」

確かに今も楽しいけど。
カウントの1つ。。。なんだよね。
経験するためのデート。
カウントするためのデート。
終わりに近づくための―――全て。

肩が付くぐらいの隣で缶ビールをちびちび飲みながら
少し寂しい気持ちになる。

「もうカウントはだいぶ消化したの?」

いつ終わるんだろう?

そんな不安が心を占める。

「まだまだだよ」

そう言いながら蒼くんは顔を傾けてゆっくりとキスをする。

「セカンドキス」

私の目から視線を外さずに再び唇を合わせる。
ゆっくりと離れて、また唇を合わせる。

それを数回繰り返したところで

「数え切れないほどの・・・キス」

と言った。





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