淫魔の夜-4
お坊ちゃまは12才になってましたが、最近私の体に視線を向けるようになりました。そのことは決して私は不快ではありませんでした。
アレックス坊ちゃまは異性に意識を持つようになったのだと思います。私が坊ちゃんを見ていないときに、私の胸やお尻や首筋を見つめている視線を感じるようになりました。それは私にとっても何故か快い刺激を覚えました。
でも私が坊ちゃんを見ると、坊ちゃまは恥ずかしそうに目を逸らします。そんなとき金色の睫毛が細かく震えるのを見ると私は胸が痛くなります。甘い蜜が傷口に染みるような甘美な痛みです。そんなとき私は坊ちゃまに言うのです。
「坊ちゃま、クララは坊ちゃまの侍女ですから、何かお言いつけなさりたいときは遠慮なく仰ってくださいまし」
「わかってる、そんなことは。いつもそうしてるよ」
そう言って坊ちゃまは怒ったような口調でぷいと顔をそむけてしまうのです。
私の部屋はお坊ちゃまと同じ階にあります。これは召使としては異例の待遇ですが、私だけは特別に坊ちゃまのお部屋と反対端の小部屋をあてがわれているのです。その部屋は窓がないところを見ると、以前は物入れのような所だったらしいです。