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失恋の先には
【青春 恋愛小説】

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失恋の先には-3

「徹平にとって、私はどんな存在なの?」
「どんな存在か、か…」
 俺はその質問に、すぐに答えてやることが出来なかった。すると彩華はとんでもない事を口に出し始めた。
「私にとっての徹平は、とっても、とっても大事な人だよ。徹平がいなくちゃ私、どうしていいか分からなくなっちゃう。徹平に振り向いてもらいたくて、クラスで盛り上げ役やったり、図書室に通ったりもしたんだよ?」
 何だって!?確かに彩華は図書室でよく見かけたし、クラスでの盛り上がりの中心にいる彩華はどうしても気になっていた。しかしその理由が俺だとは…。
「私、徹平のことが好きだよ。中学に入学して、始めて会った時からずっと…!」
「そんな前から!?」
 いや、俺だって黒須さんが好きだったのはそのくらい前だったけどさ。でも図書室に通っててたって事は…。
「俺が黒須さんを好きだったって気付かなかったのか?」
「気付いてたよ。徹平のことが好きだったんだもん。見てれば分かるよ」
 気付いてた。好きな相手には自分じゃない想い人がいる事に。それなのにこの女は
…!!
「辛くなかったのか?俺はお前のこと…」
「そういう風に見てくれてなかったんでしょ?分かってるよ。…辛かったけどね。でも後悔はしたくなかったから頑張ろうって」
「彩華…」
 何故だかは分からない。分からないけど、俺は彩華が愛おしくなってきた。
「ずっと、私の傍にいて欲しいの。これ以上辛い思いはしたくないから。徹平が好きだから…!」
 彩華の目には涙が浮かんできている。多分今の告白も、彩華は凄まじい程の覚悟を持って言ってくれたんだろう。…俺も応えるべきだな。
「ありがとう。ずっと俺だけを見ていてくれて。これからは俺の彼女として、ずっと俺の隣にいろよ」
「…うん。嬉しい!」
 彩華は俺の胸に飛び込んできた。俺はそんな彩華を受け止め、抱きしめた。こんなにも俺を好きでいてくれる女の子に、これ以上辛い思いをさせる訳にはいかないからな!

END


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