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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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向き合う勇気-6

所々水溜りがある商店街の道を目にし、ポツポツと早いテンポで屋根に溜まった雨水が地面に落ちる音を耳に、僕らは帰宅する為、地下鉄へ足を運んでいる。

「はぁーあ、今頃止んで来たね、もっと楽しみたかったのに」
「そう?私は充分楽しめたよ」

あの後、僅かな抵抗と少し動物園のオフシャルショップで止むのを待っていたけど結局
願いは通じず、その場所でお土産を買い、しぶしぶ断念した。

お土産袋を軽く振り回しルンルンな杏、しかし横の道路のある音が、彼女の笑顔を引き裂いた。

「おや、救急車?」

赤いランプを光らせ、その車は、一人の青年の所へと急ぐ。
 見ると、その人は特に目立った外傷はなく、ただ胸を苦しそうに押さえ、後々連れと思われる若い女の人が、顔を青ざめてその青年が、救急車に運ばれていくのを見届けて。
 その光景は何処となく、今の僕らにそっくりな気がして、その想いは当人の僕よりも杏の方がよっぽど気に障り、先ほどまでの笑みが消え。

人気のない地下鉄付近の公園、辺りは暗闇とそれを照らす僅かな光だけで、杏はゆっくりとした足取りで、僕の先を行く。

「絆もいつかあんな風になっちゃうのかなー」

あんな風とは、先ほどの救急車の事だ。

「はぁーあ、絆とこうして楽しく居られるのも僅か有限なんだね。」
「杏……」

そう語る彼女の口調はとても弱弱しく、肩も小刻みに震え

見たくない、彼女のそんな悲しい姿を

だからこそ別れた方が良い、その方がお互いにとって良い結果になると確信していた

だがそれは確信でも何でもなく、ただ臆病な自分が、そう想い込んで居ただけだった

自分にとって都合の良い様に

僕は逃げない、その事を彼女が身を持って教えてくれた

だから、だから僕は、僕は……

「!!」

僕はそっと震える彼女を、後ろから優しく包み込む様に、抱き締めた。

「絆。」

「僕は、もう逃げない。」


君の不安や恐怖も丸ごと全部、僕が包み込んであげる

  もう、明るい君を、そんな顔に何て、させないカラ……必ず

      僕は死なない!君を置いて何か絶対させない!だから、だからぁ!


約束よっ!?

  もし絆が、私を一人置いて、天国に行くような事があったら

     絶対に……絶対に、許さないんだからぁ!!


満月が見守る中、静寂に包まれる夜の公園で僕らは、固く強い約束をした。


次回、6話へ続く。




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