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Betula grossa
【ラブコメ 官能小説】

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茉莉菜の日記......-3

「ただ....アタシといる事で純が茉莉菜を想い出して辛くなるんじゃないかと......」
「亜梨紗ちゃん......」
お母様は私を抱きしめてくれた....
「ありがとう亜梨紗ちゃん......亜梨紗ちゃんは優しい子ね......」
「いえ....アタシなんて全然優しくなんかありません....両親からもひねくれた娘だって言われてますから......」
「そんな事ないわよ!本当にありがとう亜梨紗ちゃん....純の事を好きになってくれて....純とつき合ってくれて....これからも純の事をお願いね....」
お母様の言葉が胸に刺さった。私は来月ウィーンに旅立ってしまうから......
「申し訳ありません....アタシ....来月ウィーンに......」
「えっ?」
お母様が驚いた顔で私を見つめた。
「アタシの叔母はヨーロッパでは有名なピアニストなんです....アタシはそんな叔母に憧れていて....叔母のようなピアニストになりたくてウィーンに......」
「純はその事を......」
お母様は心配そうな顔で私を見つめていた。
「知っています....アタシが話すより前に叔母から聞いていたみたいで......」
「純は何て言ってるの?」
「アタシの事を応援してくれてます......離れていても大丈夫だって......」
お母様は私の言葉を聞いて笑顔を見せて
「安心して亜梨紗ちゃん!純が浮気しないように見張っているから!」
そう言ってくれた。
「はい!お願いします!」
「えっ?冗談で言ったのに....亜梨紗ちゃんは純を信じてないの?」
お母様は真顔で聞いてきた。
「意地悪言わないで下さい......心配なんです....純はモテるから......」
「えっ?私は亜梨紗ちゃんのほうが心配だけど?亜梨紗ちゃんは綺麗だし......向こうの男の人は気軽な気持ちで口説いてくるんじゃない?むしろ純のほうが心配していると思うけど?」
「そんな事ありません!昨年も留学してましたけど......ずっとピアノ漬けの日々でした......一年以上、純に逢えなかったのに....純の事忘れられなくて........」
「亜梨紗ちゃん?」
私は初対面なのにお母様に全てを話してしまった。私が裏切っていた事を除いて......
「初めて純に逢った時から好きだったんです......気づいた時にはもう純の隣にはアタシと同じ顔をした女の子がいたけど......それでも純の事が諦められなくて....二人を見ているのが辛くてウィーンに留学する事を決めてしまうような......一年以上も逢っていないのに純の事を諦められないような......アタシはイタい女の子なんです....」
「ありがとう亜梨紗ちゃん......」
お母様に抱きしめられて私は泣いてしまった。
「あれ?どうしてアタシは......こんな事話しているんだろう......初対面の....しかも純のお母様なのに......アタシの両親にさえ言った事ないのに......」
「きっと..亜梨紗ちゃんは誰かに自分を肯定してもらいたかったのよ....大人の誰かに......亜梨紗ちゃんの家族じゃどうしても茉莉菜ちゃんの事が引っかかってしまうと思ってしまうから....言えなかったのよ......いいのよ!甘えてくれて......そのうち親子になるかもしれないんだから!」
「えっ!?」
私がお母様の顔を見ると、お母様は優しく微笑んでくれた。
「違うの?」
「そうだといいんだけど......」
私は照れたように笑った。
「安心して!純の事はちゃんと見張っておくから!」
「はい!お願いします!」
私は笑顔で答えた。




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