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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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6.幽囚-8

「見せる……、あー、違う違う。……『見せてあげる』ほうかな」
「ふふっ、そっちを選ぶんだ?」
 モテない哀れな男のために施しをしてやる、そんな表情を作って、
「そ、女の子の下着なんて、どうせ見せてもらえることなんてないでしょ? あんまり可哀想だからね。ていうか、どうするの? ここで脱いで下着になってあげたらいいの?」
 ジャケットに手をかけた。ブラとショーツ姿なんて水着と同じだ。いろいろ考えるから躊躇してしまうのだ。悠花は自分自身をコントロールするかのように、男の挑発には乗らず、喜ばせることもなく、呆気なく終わらせてやろうと思った。
「あ、そーじゃなくて」
 だが、男に制された。「まずは、ここに立ってくれない?」
 手で畳の上に円を描くように指し示している。そこは――
「は? なんでそんなことしなきゃいけないの?」
「ふふっ、いいから、早くぅ。……俺とのぉ、や、く、そく、でしょ?」
 もともとこういった気色悪い部分を持っているのは自覚している。だが村本は、悠花を挑発するために、話し方をより粘着質に、より勘を刺激するような話し方をしていた。簡単だ。普段妄想の中で、悠花と対峙している時の自分を晒け出せば、それは悠花にとっては身の凍るような印象になるだろう。要は悠花を前にして、「カッコつけたい」思いを全て捨ててしまえばいいだけだった。
 舌打ちをして、悠花は腕組み姿のまま男の示すほうへ進んだ。
「どうせ、来なかったら、また画像がどうこう言うんでしょ?」
「あはっ……、よくわかってんじゃん? ほら、あっち、向いて立って?」
「ずっと言ってるけど、そのキモい笑い方、どうにかして欲しいんだけど」
「あはっ……、ほーらっ。あっち」
「っ……! キモいっ、つってんのに……!」
 吐き捨てて、90度向きを変える。この場所に立たされる前から、男が示した場所は、鏡の正面だということは分かっていた。目線を逸らしても、視界の端に映っているのがわかり、自分の姿を改めて意識することになる。デニムミニとニーハイブーツから、モデルとして磨き上げている美脚の一部、太ももを惜しげもなく晒している。どこに立ってもすぐに腕組みしてしまうのは、ジャケットを取ればラメ生地のオフショルダーはあまり遊びがなく、否応にも悠花の艶美なバストラインを浮き立たせるから、たとえ僅かな隙間からでも見せたくないからだ。
「くくっ……、全身映ってるねぇ? 悠花ちゃんのお美しい姿が」
 なおかつ、鏡に映っているのは悠花だけではなかった。すぐ背後に、全裸の、醜い風体の男が映りこんでいる。鏡を通して見ると、「今からこんな男に犯される」という構図が浮き彫りになって、悠花が自らを謀るように、努めて存在に気づかぬフリをした。油断すると、溺れそうな恥辱感に呑まれそうになる。
「で、どうさせたいの?」
 鏡の前で脱ぐ……確かに自分の姿を見ながら、男の前で衣服を取るのは、さっきの場所で脱ぐより屈辱感が高い。男が何か言う前に、さっさと自分から脱いでしまえばよかった。悠花が少し後悔していると、
「……はあっ、……ふぅ、……」男が直ぐ背後まで近づいてきたのが、息遣いと鏡の中の様子で分かった。「悠花ちゃんは、何もしなくていい、んだよぉ?」
 髪に、息が掛かって不快だ。
「ちょっ、……何する気?」
「いいからぁ」
 直ぐ背後に立たれる。耳元に囁きかけるように顔を近づけられた拍子に、腰の辺り、デニムミニ越しに、トンッ、と何かが当たったのが分かった。男はもうコンドームをしていないし、さっき見てしまった、あの亀頭の傘の下の白い粘液……。


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