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姉妹
【女性向け 官能小説】

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姉妹-12

13. 
 赤い屋根に白壁の家。 家の前のきれいに刈り込んだ芝生。
「きゃっきゃっきゃっぁ〜〜」

 私は今、腹違いの姉の由美と遊んでいます。 名前は由香、生まれてもうじきお誕生日を迎えます。 3メートルほど離れて、パパは椅子に腰掛けて、新聞を読んでいます。
 私はまだ言葉がしゃべれないので、意識で話しかけています。 私の意識では、由美は私の娘で、新聞を読んでいる人は夫の啓介です。

 話が、よく分からないって?・・・そうでしょうね。 一寸おわかりにくいかも知れません。 では順を追ってお話ししましょう。
 実は私は、1年一寸前に、夫の胸に抱かれたまま腹下死した、啓介の妻の幸子です。
 私は夫に首っ丈でしたから、死ぬと分かっても未練が残りました。 夫は腹下死した私をずっと朝まで抱き続けてくれました。 夫はそういう優しい人なんです。

 死んでしまった私は、夫の傍を去りがたく、幸い夫の物が妹のお腹に挿入されたままだったので、私の夫への想いは夫の精管を通って、夫の精巣にもぐりこんだのです。
 
 49日まで、夫は妹の雅子との行為を謹んで呉れました。 その後、雅子の排卵日を待って、夫の精子と一緒に私は雅子の卵子に飛び込みました。
 
 つわりの気配で雅子はシドニーに戻り、子供、つまり私を生みました。 私は女の子でした。
夫と妹は、由香と名付けて呉れました。
 由香の自我がまだ弱いので、今までの所は私が由香を支配していますが、最近由香の自我がどんどん目覚めてきています。 由香の自我が十分に強くなると、自分で口を利くようになります。 そうなると私は支配権を由香に譲って、舞台から引退しなければなりません。 もうそろそろ、その時期が近づいている様です。
 
話を続けましょう。
 夫はメルボルンに家を買い、妹と結婚しました。
 由美もメルボルンの高校に入学し、妹の夫になった啓介さんは、とりあえず、東京の本社に単身赴任の形をとっています。 でも近くオーストラリア・フォードに転職が決まっているので、そうすれば家族がそろってメルボルンで生活が出来るようになります。
 由香が今何かしきりに声を出そうとしています。 私の意識も、白い霞が掛かったように、取り止めがなくなって来ました。 あら、雅子が家から出てきたようです。
「パパ、由美ちゃん、由香ちゃん、ご飯よ。 もう寒くなるからお家に入りなさい」
 
 由美は妹の由香の手を取ると、
「さあもうお家に入りましょう」
と手を引きました。
 
 啓介は、新聞を畳んで立ち上がります。
 由香は、立ち上がった啓介を振り向くと
「パパ・・パパ・・」
と声を上げて啓介を指差します。
 「お母さん、由香が声を出したわょ。パパ、パパって」
「あら、ほんとう、お誕生日も近いから、やっとおしゃべりを始めたのね。でもママじゃなくてパパが最初って言うのは悔しいわね」
 
 雅子は由香に近づくと、自分の鼻を指差して
「この人だーれ」
「ママ、ママ」
「まあほんと、良い子ねえぇ。 これからどんどんおしゃべりするようになるわね。 にぎやかになるわ」
 雅子は由香を抱き上げて、頬擦りをします。

 由香は由美に手を引かれて、先に玄関に歩いています。
 
 啓介は、読んでいたフィナンシャル・タイムズを左脇に抱え、雅子の腕を取りました。
「あなた、あたしもう一人欲しいわ、東京に戻る前にがんばって・・・ねえ、今晩どうかしら・・・」
 啓介は雅子の腰に腕をまわして、引き寄せました。 唇を合わせます。
「あと一人でいいのかい? 僕はもっと大勢できそうな気がするけど」

終わり


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