焔と氷-2
だからわかっていた。そいつは能力者なのだということを…龍弥は
「そいつと出会ったら、逃げろょ」
と一言言い、焔が疑問にみちて龍弥に呼び掛けても気にせずゲームセンターを後にした。
「どおしたんだ、アイツ…」
と考えている内に学校が終わる時間になっていた。
ハッと気がついた焔は水穂との約束を思い出し急いで学校へ向かって行った…
走って5分くらぃたったとき
「おぃっ」
低い声で誰かに呼び止められた。
「なんだぁ、今急いでんだょ」
汗が頬を蔦り少し苛立たしそうに返事をする焔。
しかし次の瞬間、焔の目に飛込んで来たものは、声を掛けてきた奴の手に捕まれていた龍弥であった。
「龍弥〜」
焔が怒りに満ちた顔で駆け寄る。
「逃…げ‥ろ…焔」
男は龍弥をほたり投げ憎たらしく笑っている。
それを見た焔は…
「てめぇ‥ぶっ殺してやる」
相手を睨みつけ右腕を振りかざし、猛然と男に向かっていった…
数分後。焔は地面にはいつくばっていた…
確に、焔は強い、しかし…それは普通の人間にだ。
「クックック。」
薄笑いを浮かべる。
焔は涙を流していた…
大親友の仇さえとれない自分に。
奴に一発も当てれない自分の歯がゆさに。。
フッと龍弥の言葉が浮かんできた。
「そいつと出会ったら逃げろょ」と。
「龍弥は知っていたんだ、奴のコトを、おれが勝てないコトを…」
焔の心は悔しさに溢れかえっていた…力が欲しい!!この男に勝てる力が!
顔を上げると男が龍弥の方に近づいている。龍弥を掴み上げまだ何かをしようとしている。
「や‥めろ‥やめろ〜」
男が振りかぶった時焔の中で何かが弾け飛んだ。
「うおぉぉぉぉぉぉ」
雄叫びのような声に男が焔の方に目を向けた後、驚きの表情をしてぃる。焔の体に螺旋状の炎が纏われているのだから…
「能力者か…」
そぉいうと男は龍弥を離し真剣な眼差しで焔を見ている。先程までの薄笑いもなかったかのよぅに。
暫く睨みあいのなか静けさが流れていたが、男が口を開く。
「さっきまでその力を何故使わなかった?」
だが焔には何のことかわからない。
「力…?何の事だ」
低い濁った声で答える。男は気づいてなぃのかというよぅな表情で焔を見る。が溜め息をつきながら焔に言った。
「その…体に纏われている炎だょ」
焔は自分の体を見渡した。
「!?…なんなんだ‥コレ!?」
手を顔に近づけて良く見てみる。橙がかった赤い炎が手を螺旋状のように纏っているのだ。