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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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後悔-5

「お邪魔しまーす」

私も、案の定友人の杏の事が気になり彼女の家へお見舞いへ行く事に
と言っても、お見舞いと言う単語が果たして正しいのか…

オバサンに案内され、杏の居る2階の部屋に向かい。オバサンに「具合どうですか?」
と、訪ねて見たけれど、苦笑いを浮かべるだけ、やっぱり親も娘が普通に体調をこじらせたとは思っていない様で。扉の前に立ち、家事があるからと娘を私に託し下へ降りて行き

扉の向こうで、沈んでる杏を思い浮かべつつ私は慎重にドアをノックし

「…杏ー、私ー、具合はどう?」

取り合えず的な言葉を、投げかけると、遅れて返事が返ってきて

「…菫?見舞いに来てくれたの?」

扉の向こうから耳にするその声は、何時も知ってる杏の活気溢れる声では無く
電池の切れかけの電化製品のように弱弱しく、それでも無視をせず私を出迎えてくれた
様で、少しホッとした。

「明日は…どう?学校行けそう?」
「……どうかな」

無理も無い、自分の大好きな人が二十歳には死んでしまうのだから
それを思うと私も胸が引き締められる思いだ…。

「…長谷川君、落ち込んでたよ、一日中」

扉の向こうから、反応は無く。

「どうするの?これから…」
「えっ?」
「そりゃー辛いのは分かるけど、何時までもそうやって落ち込んで何か居られないよ
皆だって心配してるし」
「うるさいなぁ!そんなの解ってるよっ!」

地雷を踏んでしまった、確かにそうだ。

「…どうして知ろうとしたの?病気の事」
「…何故って、それはどうしても気になったから」
「本当に、それだけ?」
「?そうだけど…」
「私思ったんだ…、杏はただ気になって彼に言いたくない事を吐かせたんじゃ無いって」
「どういう事?」
「ひょっとしたら杏は受け入れる覚悟があったんじゃないかって…、残酷な事実を受け入れ、その上で彼と共に生きるつもりだったかと」
「…何よ、買いかぶらないでぇ!私だって落ち込むよっ!菫が思ってるほど私強くない」

「だったら強くなりなさいよっ!」
「!!?」

基本叫ぶ事とは無縁な私が、頭に血が昇り声を上げる

「そう…、そうなんだアンタが長谷川君を想う気持ちってその程度何だ」
「菫…」
「酷いよね、あれだけ彼の事を愛してたのに彼の病気の事を知った途端そうやって彼を
見捨てる…何て」
「なっ、私は別に見捨てて何か」
「だってそうでしょっ!?今こうして仮病使って引き篭って沈むとこまで沈んで
彼から逃げてるんだろうがっ!」
「!!」
「…まぁアンタの彼への想いがこの程度だったって言うなら幾らでも謝るけどね」

我ながら棘のある言い草を、でも私だって心配だ、こんな杏だったら、私も気分が…

「菫、私は…私は」
「…怒鳴ってゴメンね、それじゃお大事に」

冷静を取り戻し、捨て台詞を吐く様に、沈む友人の居る部屋に背を向けた。

「杏…」


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