後悔-2
「よし、正解だ席に戻れ…織原」
普段は性格通りの伸びた返事をし、席に戻る彼女。ダガ最近はめっきりそんな返事もせず
無言で席に戻る彼女。その表情はとても暗く、僕の知ってる彼女の面影はまるで消えて
周りのクラスも何事かと、目をパッチリ開け、重い足取りで席に戻る彼女を追う。
僕も、電力が切れ眩い光を放てない電球の様な彼女を目にすると、胸を締め付る様な
痛ましい気分に苛まされる…
あの日の保健室で、気の強い刑事に自白を求められる容疑者の如く、本当の事を口に
してしまって以来ご覧の有様となってしまった彼女。
二十歳までしか君と居られない事実を話した時の、青ざめた彼女の顔は今でも頭から
放れない。
僕はやってしまった、幾ら彼女に本当の事を話して欲しいと、しつこく言い寄られたとは
いえ、こんな事になる事は当然予想出来た僕は、それでも頑なに唇を糸で縫ってでも
告げるべきではなかった…
恐れていた事が、今現実の物となってしまった。
こんな光景在る筈が無い、これは悪い夢何だと目を背ける時もあった…
望む事なら、タイムマシンを使ってやり直したい、告げなければ彼女に大きなクイが残り
何度も訪ねて来るだろうが、こんな彼女を目にするくらいなら…
そう様々な思考を巡らせるも、後で虚しさがやってくるだけで。
結局こうなる運命だったのか?
僕は憎い!
こんな体の自分が…
何が心臓病だ、何が「クイの無い人生を」だっ!
沈んだ彼女の顔を見るたび、自分が嫌で仕方が無い
僕は元々彼女と共にいてはいけなかったんだ…
何も悪くない明るい彼女を泣かすような
こんな、こんな自分何か…