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噂をすれば恋
【女性向け 官能小説】

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-3


「そっか。真樹は真樹で自分を守ってたんだ」

金子さんは自分の悪い噂を信じていた私を擁護するようなことを言う。

「真樹。長女でしょ」

話の流れに関係ないようなことをいい
コクンとうなづく私を見て優しく笑う。

「何でも自分で解決しようとしてる。
ね。俺も長男なんだ。頼られるのに慣れてる」

うん。

「真樹。これからは自分で抱えないで。
俺を信じて。俺を頼って。俺に預けていいんだよ」

うん。うん。うん。

「何も強がらなくていい。俺が全部引き受けてあげる」

顔の作りがいいとか、
そんなことは関係ない。
この人は生き様がカッコイイんだ。

「おいで」

そう手を広げた中に
なんの躊躇もなく私は抱きついた。

ゆったりとした安心感の中で
私の方からキスをした。

少し驚いた金子さんがキスを深くする。
そのまま深くなっていくキスに
「ここじゃいや!」

と、体を離して軽く拒絶すれば

チッと舌打ちした。

「まさかここで何かしようとしてたんじゃないでしょうね!」
「いいじゃん。鍵は閉まってるし」
「絶対にいや!」
「そう?じゃぁ、さっさと出ようぜ。ここに用はない」

さっと態度を切り替えると私のカバンを持って手を握った。

「あ。俺、作業服だ。恥ずかしい?」

そんなくだらないことを心配するなんて。

「全然」

そう答えを聞くとにっこり笑って手を強く引いた。
廊下ですれ違う誰もがその勢いに
びっくりしていたけど

金子さんはお構いなしにエントランスに向かう。
受付では村松さんが私たちを見てびっくりして
作業服の金子さんと、二人がつないでいる手を見て、
それから私の顔を見た。

そして意味ありげに微笑むと
「いってらっしゃいませ」
と綺麗に頭を下げた。





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