変心-16
男のペニスが出入りするたびに恵の鼻を陰嚢が叩く。一回一回の抽挿は深いが、そのスピードは先程よりだいぶ遅いため、恵は何とか呼吸できていた。
恵の目の前に男の肛門があるように、強制的に大股開きをさせられている恵の陰部は、尻の穴まで丸見えだ。何日も風呂に入っていない上に、先程失禁したばかりの陰部はさぞかし汚いだろう…。
通常なら強烈な羞恥に身悶えする恵だろうが、今はそれに倍する恐怖に支配されているため、全く気にならなかった。
延々と繰り返される抽挿…。断続的に続く大きな恐怖に耐えきれなくなったのか、恵の心は次第にホワイトアウトしていった。
ひときわ深く喉を突いた肉棒が、震えとともに精液を発射したのは、抽挿開始から20分の事だった。
恵の喉奥でドクドクと脈打つ陰茎。えづきながらも半ば無意識に精液を飲み込もうとするが、半分逆立ちしているような姿勢では上手くいかない。ついには、「ウプッ!」という音とともに口と鼻から白濁したザーメンを吐き出した。
男は陰茎を抜き取り、足を掴んでいた両手を離した。力なく倒れた足がベッドで小さく跳ねる。
恵は焦点の合わない目で天井を見ていた。全身の力が抜け、口を閉じる力もない。
今はもう何も感じなかった。
男は壊れた人形の様に仰向けになったままの恵の胸辺りで、今度は顔の方を向いてまたぎなおした。仁王立ちで恵を見下ろす男は、上着からタバコを取り出して火を付けた。そのまま口にくわえる。次いで取り出したカメラを目の前に構えた。しかし、ファインダーを覗いたまま、すぐには撮影しない。
数秒後、ジョボジョボという音とともに男は恵に向かって放尿した。
二度目の放尿は勢いもなく量も少なかったが、恵の胸を濡らしつつその落下地点を変えてゆき、とうとう恵の口に到達した。
「ゴポポポポッ」
恵の口に溜まっていく尿は、ザーメンと混ざって泡立ち溢れていく。
「パシャ」
男はようやくシャッターを切った。