一周忌に愛をこめて-3
5.
「気持ち好いっ」
嵌まった陰茎を、膣壁が、しわぁと締め付ける。
「気持ち好いよ、潤子さん、君のワギナは素晴らしい」
程よい締め付けの膣口を、抜き差しする。 なんという嵌まり心地。 雁首は、目一杯に傘を広げて、膣壁を擦る。
「死にそうよ、死にそうに好いわ」
「僕のペニス・・・蕩けそうだよ」
潤子は尻をもじもじさせるが、それ以上は動けないらしい。
「いっそ、このまま死んで仕舞いたい。 ヒデオさんに抱かれて、こんな気持ちの好いまま、 ねえ、殺して、このまま首を絞めて、殺して」
「そんな事言わないで・・・生きていれば、いいこともあるんだから」
「もう駄目よ、これが最後よ、もう最後よ、有り難う、ヒデオさん」
「君を愛してる、未だ死なないで」
「ああ好い、 死にそう、 このまま、ああ、いつまでも、このまま・・・」
ペニスは、ひきつけを起こしてきゅんと固くなる。
「ヒデオさん、イッてぇ、潤子イクぅ」
鈴口から、精液が迸ると、膣口がじわっと男根の根元を締め付ける。
締め付けは、根元から、じわじわと雁首に進み、ペニス全体が潤子に抱き締められているかのように。
「潤子 おおぉ ジュンコ」
射精が終わっても、締められたペニスは、勃起を保った。
潤子のオルガスムが峠を越えて、体が弛緩してくると、ワギナも緩んだ。
最後に残った愛液を、気を入れて潤子のワギナに送り込むと、ヒデオはそっと男根を抜いた。
潤子は、両手で目を覆うと、鳴咽を始めた。
ヒデオは潤子の額に唇を当てると、ベッドを下りた。
6.
潤子が死んだと、茂子から電話が掛かってきた。2日後のことである。
信じられなかった。
朝、ベッドで冷たくなっているのを、ナースが見付けたという。
まるで生きているように微笑んでいて、・・・いい死に方をした、生前いいことをなさっていたんでしょうと、ナース仲間で噂をしたという。
週末に、最寄りの火葬場で葬式が行われた。 身寄りの無い潤子の為、茂子が何かと動き回った。 費用は、潤子の弁護士が預かっていたという。
「あの人、死ぬの分かってたのかしら」
火葬場の煙突から、ぽっと淡い煙が立って、潤子は昇天した。
7.
1年が経った。
潤子のことは、もう誰も話さなくなった。
遺灰は遺言で川に流してしまったので、墓はない。
ヒデオが、隣のベッドの妻に背をむけると、気づかれない様にコンドームを嵌めた。
萎んでいた男根も、コンドームがくるくると巻き付くにつれて、勃起を始めた。
「潤子さん」
潤子との情事を思い起こすと、陰茎は激しく反応して、直立する。
「潤子さん、今日は一周忌だ。何もしてやれないけど、君をもう一度抱かせてくれよ」
陰茎と雁首に、指を当てる。
「潤子、君のワギナは好かったなあ」
雁首が反応して、傘をヒクヒクさせる。
傘の裏を、指先でくじる。
「潤子、気持ち好いかい。 ほら お露が出始めたよ」
鈴口に指先を当てると、ツんと酸っぱい電流が流れる。
「潤子、君のワギナは好かったなあ」
あの締まり具合を思い出して、握り具合を調整する。
(こんな具合だったかな、でも、潤子のワギナはもっと好かったな)
指のストロークが、激しさを増し、早くも精液が上ってくる。 オナニーは、どうしてこう反応が早いんだ。