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命令チップ04
【SF その他小説】

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一週間-1


結局その日は美優が訪ねてくることは無かった。

次の日の朝も3杯のコーヒーを飲んで待っていたが部屋のドアが開かず、

後ろから声をかけてくる気配が無かった。

「かなりの数だし、まだ読み終わらないのかな〜」

仕方なしに部屋に戻ることにした。

いつ来るか分からないので、常にドキドキしながら待っていたけど、

夜中になってしまった。

友情の信号機をいじりながら

「お前のご主人さまは帰ったのかな? 一言いってほしかったな」

あれだけの美人と友達になれただけでもラッキーだったんだ

そう言い聞かせて僕は眠った。


次の日、朝を過ぎて昼になるころ、

暇なのでインターネットで売値の安いサイト照会よりも、

安い物を売ってるサイトを探している時

ドアをノックされた

キターー!

美優だ! いたのかよ、

まったく、読み終わるの遅過ぎだよ


僕は嬉しくて急いでドアを開ける。

「もう、帰ったと思ってたよ〜」

と見ると、

ドアの向こうには体格の良い男が立っていた。

「何の話だ? 俺は今来た所だよ!」

いかつい顔がニヤける

「誰だお前!」

そう言うと男は鼻で笑い

「お前、石井幹夫ってんだな〜ここ見つけるまで一週間かかっちまったよ」

と喋った

「影山か!」

ムッとした顔をして

「呼び捨てにするな、それより体が痒いんだけど、俺になにをしたんだ?」

首筋を描いている。


うそだろ見つかった!

逃げなきゃ

振り返り、後ろのモニターに足を乗せパーテーションを駆け上がる、

壁向こうの人がびっくりして目があった。

その隙に足を捕まれ引き釣りおろされた。

「わぁ!」

「今度は逃がさねー」

「はなせー」

太い腕を蹴っても外れない

そのまま引きずられたかと思うとドア向こうの壁にたたきつけられた。

「ぐわぁ」

すかさず手が来て、胸ぐらを捕まれ立たせられる。

「ちょ、ちょっとまってくれ」男の手が振り上げられる

「うるさいよ、何やってんの!」

横のドアが開きオタクがごつい男に文句を言った。

「じゃまするな」

オタクは動かなくなる

その一瞬に胸ぐらの手が緩み

「いまだ!」

僕はオタクの臭い部屋に飛びこんで

目の前の机に上がり、パーテーションの向こう側にいたカップルの中におちた

「わぁ」「きゃー なんなの?」

「いてて、ごめんなさい 失礼します」

膝をさすりながら部屋を出ると、

まっすぐ伸びた通路の先に出口が見える。

迷わず走った。

途中の脇道から、さっきの男が向かってくる。

「やばい、きたー」

壁を叩きながら走り抜けると、

怒った客がドアを開けるので、

ごつい男はそいつらで塞がれた。

「逃げ切れる、もうすぐだ」

て思った時

通路の端に新しい男が立ちはだかる

「まじかー」

勢いが止まらない、これでは捕まる!

その瞬間

目の前に白い壁が出来た。

ドアを開けた男がクッションになり、そいつの部屋に入って出口側のパーテーションを飛び越える。

大きな音をたてたにもかかわらず、通路に立っている男は気づいていないようだ。

僕は出口に走り、自動ドアが開くと店内に入ろうとした男にぶつかった

「いったーい」

「ごめん、ごめんね」と謝りながら表通りを止まらずに走った。


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