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命令チップ04
【SF その他小説】

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復習を誓う男-1


気がついたら病院のベッドだった

騒然とした病院では、警察がいて、店にいた人たちに何があったのか聞いている

「気がついたのか大丈夫か?」

私服の男がメモ帳片手に覗きこんで来た、こいつは刑事だ

「え?……あっ」

刑事より、自分の体が心配だ、手足を見た

擦り傷はあるものの、どこも折れていない、少し安心した

刑事は僕の前に腰掛け、

「起きて混乱してる所悪いが、質問させてもらうよ、お名前はなんて言うんですか?」

「石井幹夫といいます」

「この怪我、どうしました?」

刑事に影山の事を言っても信じてもらえないだろう

言わない方がいい。

「わかりません、調理してたら病院にいました」

すると刑事は落胆した顔をみせ

「なんだキミもか、屋上に行った事は覚えているだろう?」と聞いてきた

これも答えない方がいい

「屋上に行ったんですか? 覚えていません、何で行ったんですか?」

「それを聞いてるんだがね、まったくどうなってるんだ誰も覚えていない」

刑事はメモ帳を閉じて立ち上がり、次の人を探しだした

「あの、皆大丈夫なんですか?」

刑事は聞こえていないのか教えてくれない

すると横から

「屋上の金網をなぎ倒して全員で落ちたそうだ」

隣のベッドに座ってた篠原先輩が代わりに答えた。

「そうですか4階から落ちて、よくこれだけの怪我ですんだな〜」

「これだけって、お前の顔のアザもその時ついたのかね」

目の周りを触ると痛かった

「触ると痛いです、他の皆は大丈夫なんですか?」

「ん? ああ……店長や黒服、キャスト5人、しかもうちのナンバー1が圧死だそうだ」

「圧死! 死んだんですか?」

「ああ、重症もかなりいるぞ、まったくなんて日だ」

先輩の怒りは大きくなり的外れな想像の話をしだす。

でも僕は死人が出た事に同様して耳に入らなかった。

「……だろ、これは集団催眠にかかったと思うんだ」

(集団催眠ではない命令チップだ。

催眠は言葉により操り本人が考え行動するのに対して

命令チップは送信者の手足の一部になるのだ

言葉もいらずダイレクトに操作できる

ただし、命令される遺伝子を組み込まれている必要があるのだが、

触れただけで感染するので、あれから5年、

いったいどれだけの人の遺伝子が変えられたのか想像できない

まさに、あの力を持てば神にでもなった気分になるだろうな

でも、人殺しは使い方を間違っている。

影山、許せない!)

僕はベッドから降りて靴を履いた

「ん? トイレか?」話し途中の先輩が聞いてくる

「ちょっと、行ってきます」

僕は病室を出て、刑事に見つからないように外にでた。


「あの力で店の人たちを傷つけ、人殺しまでするなんて、ありえないよ、

 ちくしょう、よくもやったな、仕返ししてやる」

足早に道路に出て、タクシーに乗り込む、

向かう先は秘密の研究所だ。


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