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命令チップ04
【SF その他小説】

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操る男-2


どうにか見つからずに移動し、最後の大きな通路の前にいた。

(ここを抜ければ調理場だ)

どうやら奴は店中の客からお金を抜くとこに集中している。

僕は様子をみるため通路に顔をだして確認した。

「あ!」目があった。

ちょうど通路を歩いていたのだ

(ヤバイばれたか?)

動かずに意識がない振りする。

「目、動いてるぞお前」

バレてるよ。でもバレてないかも、演技を続ける。

「止め忘れるなんて始めてだ、えーっとお前のスイッチは……」

痩せて背の高い男は僕を眺めていたが、怪訝な顔をする

「……どういう事だ、お前のスイッチが見当らないぞ」

(そりゃそうだ、僕は受信者じゃない)

いきなり後ろから襟首を掴まれて、無理やり立たされる、

「いてて」つい喋ったことに慌てて口を押さえた

「何してんだ?」

もう演技しても遅いよな

「あ、はは、何故か皆止まっているな〜っと」

振り向くと黒服の人だった、当然この人も操られている。

痩せた男は僕を珍しそうな目で、

「全身みても、どこにもスイッチが見当たらない、そんな奴がいるとは驚いたな」

(スイッチとは送信者の頭に、操ることができる人のボタンが現れるのだ、

僕は受信者ではないからスイッチが出ないのは当然だ)

「あー たまたまじゃないでしょうか」

「今までスイッチの無い奴は初めてみたよ、お前人間か?」

「に、人間です。」

すると、痩せた男は急に思い立ったように目をまるくして

「そうか、そうなのか、分かったぞ、やっと理解出来た。」

と嬉しそうに男は僕の肩に手を置くと、

「半年前、この力に目覚めてから何かしないといけないと思っていたんだ」

目がキラキラしてる。

「この力は神の力だ、その力に逆らう者がいるなら排除しなきゃいけないよな」

「は? 何を言ってる、それは命令……!」

説明しようとすると背中を叩かれた

「おい!」黒服が後ろから手を回して胸ぐら掴んで引き寄せる、

「粛清だな」

いつのまにか周りに従業員と客が集まっていた。

「え?」

黒服は片手を大きく振りかぶる

「うそ、やめろ」

操られている黒服は勢いを止めずに、僕の顔を殴った。

「ぐわぁ」

倒れてよろけた先に客の足が見える。

掴んで立ち上がると、ガタイのいい客と目が合う。

「やばい」

思わず目をつむったら

その隣にいたボーイが前のキャストの顔面を殴った。

無言でひっくり返る彼女は、テーブルの角に頭を打ち付けて倒れる。

「あれ、違った隣か」

痩せた男の舌打ちが聞こえた。


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