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真奈美の日記
【獣姦 官能小説】

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秘密の日記-3

あれだけ精力絶倫の猛犬が、そう簡単に解放してくれるとは思えない。

(そういえば、あのおじさん、あたしがベンチで寝ていたところを見つけたって言ってた! それは嘘だわ。おじさんは、私がワンちゃんにメチャメチャに乱暴されているところを見てるはずだもの……)

まるで筋肉の塊のような大男。彼であれば、土佐闘犬のような猛犬であろうと撃退することは可能だろう。
しかし彼女の記憶では、彼に争った傷などの形跡は見受けられなかったし、撃退したとしても、そのまま猛犬が何処かへ去ってしまうとも思えない。
おまけにワゴン車の中で、引き裂かれたはずの体操着を着て眠っていたというのが腑に落ちない。まるで狐にでもつままれた気分だ。

(そういえば、着て帰った体操着!)

真奈美は、その体操着をビニール袋に入れて、部屋の押し入れの隅に仕舞っていたのを思い出した……

――ビニール袋から取り出そうとした体操着は、むわっとイカのような生臭い、腐ったような悪臭を放っている。
もともと白い生地のはずだが、何かをこぼしたようなシミが幾重にも重なり、ごわごわとこわばり茶色くなっている。
あちこちにまだ生乾きの痰のような黄色い粘液が付着し、ねっとりと糸を引いている。

(うっ、この臭い…… ワンちゃんのせーしの臭いに似てるけど、また違う……とても濃厚で、ねばねばしてる……)

「そうだ、とにかく覚えていることだけでも、忘れないように日記に書いておこう!」

――真奈美は日記を書く習慣があった。
それを始めたのは小学校の4年生の夏から。
運動神経が鈍く、体育の授業が苦手だった真奈美。いつも大人しく、おどおどしていた彼女は友達が出来ず、時々いじめられたりすることもあった。
だけどたった一人、似たような性格、境遇の同級生の女友達がいる。彼女とはずっと交換日記を続けている。
しかしこれから書くのは、それとは別の自分だけの秘密の日記だ。

(この異常な状況を書き留めなければ……後から冷静になって考えたいとき、記憶が薄れて曖昧になっていても困らないように……)

真奈美は、こうして記録を残しておけば、これから先、何かの役に立つに違いないと信じた。

「――ええと、そして目が覚めたら、大男の車の中でした。座席シートをよじ登って、助手席のドアを開けて、逃げました。家に着きました。なぜか服を着ていました……」

真奈美は、ちらと時計を見て、驚いた。

「ええ! もうこんな時間……」

あまり夜更かしすると、明日の学校が辛い。真新しいノートを日記帳として、今までの体験を殴り書きすると、慌てて沙夜子からもらった錠剤を飲み、ベッドにもぐり込む。
ほどなく、真奈美は深い眠りに落ちた。

――次の日。月曜日の朝。

「行ってきまーす!」

「真奈美、忘れ物は無い?」

「大丈夫、昨日のうちに準備したから!」

真奈美は、家のドアを開けると、慌てて飛び出し、小走りに学校へ向かった。

「全く、起こしてあげてるのに、二度寝して送れちゃうんだから、どうしようもないわ」

母親は少々呆れ気味に嘆いた。

――真奈美が通う学校は、自宅からおよそ1.5km離れていて、学校の裏手は河川敷に隣接している。真奈美は、時々河川敷の道を通り、登校している。
この方が信号もなく、時間短縮になるからだ。

「なんだか雨が降りそう…… とうとう梅雨に入っちゃったのかな」

朝だというのに夕暮れのように暗い。どんよりと立ちこめた黒い雨雲が渦を巻いている。
空を見上げていると、なんだか憂鬱な気分になる。
真奈美は、早く学校に着こうと河川敷のルートを行くことにした。
住宅街の路地を通り、裏手へと抜る。すると、小高い土手が現れる。その土手の階段を登ると、河川敷が目の前に広がる。
そして、そこから河川伝いに学校までは600mだ。
真奈美は、一気に土手を駆け登った。

「……っ!」

と、目の前に立ちはだかったのは、筋肉でゴムまりのように膨れ上がった大男だった。


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