思い出したよ…。-1
「ちょっと手荒いが、許せよ」
ぼんやりとした頭に刀鬼の声が直接響いて。
快楽に朦朧とするあたしの口内に舌が入って、唾液混じりに激しく絡みあった途端に、
「ぁ…ぁぁ…ぁああっ――っっ!! かっ…からだっ! なんか!! おかしいよおっ!!」
体が熱く火照って、急に酷く過敏になって。
「お前の体に、少しオレの霊力を流して、性の感度を高めた」
「ぃ…っっぁあああーーっ!! はぁああんっ! ぁああっっ!!」
思わず激しく首を振ってしまうほど、あたしの秘部の敏感な芯芽に激しい快楽が襲ってきた。
「ああんっ!! やああっ――!! あっ、あっ、ああっ!! いやああっ!! ぃやぁああっっ!!」
「くっ! 環ちゃん…きつい…」
「やああっっ!! そんなに!! あっ、あっ、激し…っ…やぁああっ!!」
結月に最奥を突き責められながら、刀鬼の指腹で芯芽を激しく引っ掻き回され、胸を舐め吸われ。
快楽の波が一気に押し寄せる。
「や…はぁああんっ!! ぁぁ…ぁぁ…きもち…ぃ……ぃ…らめぇ…ぁあ……」
「くっ…た、環ちゃん…」
「ゆっ…っぁああ!! らめぇっ!! そんなっ! ぁああっっ! 激しいっの…ぁぁ…らめぇっ!!」
結月の息遣いが浅く荒くなり、あたしの中を突く速度が一気に上がり、あたしは激しく押し寄せる快楽に仰け反り、悲鳴のような喘ぎを部屋に響かせた。
「ぁああっぁぁ…ぁぁ…ぁぁ…ぁぁああっ――っくっ!! ぃ…っ…ち…ゃ…」
激し肌がぶつかる音。息が詰まるような絶頂感。
足がガクガクして、肉壁が、きゅうきゅうと締まっていくあたし中が、破裂しそうに硬く張りつめた熱い結月の逸物に激しく擦られ、深く深く奥を突き責められて、達してしまった。
意識が一瞬遠退きそうになると同時に、刀鬼があたしのお腹に触れて、なにかを唱えた。
次の瞬間。
「我の一部、三神環に注ぎ授ける!」
「ぁあああああああっ!!!」
結月はあたしの秘部奥深くに、とろりとした熱い力を放った。
「ぁ……ぁぁぁ…ふ…ぁ……ん…」
気持ち良すぎて中がとろけそう…。
(体が熱いよぉ…)
体が力を失うと同時に、あたしの頭の中には、まるで古い映画のスクリーンのような映像が浮かんでは消えるを繰返した。
『…環…』
誰かがあたしを呼んでる。
あぁ、そうだ。あたしのお母さん。
古い記憶が早送りされるように流れていく。
あたしは心の中で、生きてた中で出会った人、場面ひとつひとつに頷いた。
幼少のあたし。
小学生。中学生。高校、大学時代。
友達や初恋の人、恋人だった人達。
早駆けで通りすぎる思い出だけど、懐かしさが溢れ、涙が目の際から流れて落ちた。
(あたし、幸せだったんだ…良かった…)
しばし思い出の余韻に浸り、心地良い気持ちで満たされてたら、フィルムが切れたように暗闇に包まれて、
『ごめんっ! 環! 環が友達で良かったよ!』
再度浮かんだ、砂嵐混じりの映像には、忙しくパソコンのキーを叩くあたしと、資料を整理する…
(麻里…絵…?)
『ごめんね…、本当になら今日は吉崎君とデートだったのに…』
『大丈夫だって、透も、麻里絵の為ならって笑って許してくれたから』
『羨ましいなぁ…。環は、私と違ってバリバリ仕事出来て、素敵な婚約者までいて幸せいっぱいで。私、環になりたいよぉ…』
そうだ。麻里絵だ。社会人になり、会社の同僚で、あたしの親友。
『環、どうしよう…お母さんが…事故ったって…』
『いいから早く! お母さんのところにいきなよ。大丈夫、資料と留守はあたしに任せて』
そうだ。麻里絵のスマホが鳴って。
母さんが、事故で病院に運ばれたって…。
あたしは、麻里絵のアパートで、翌日の会議の資料作りを手伝ってて…。
『もしもし環? 母さん、骨折だけで、あとは大事なかったよ! うん、良かったぁ…ありがとう。後、一時間位で帰るからね』
『慌てなくてもいいよ、気を付けて』
安堵して、一息入れて…。
そうしたら呼鈴が鳴って。
『宅配便です』
宅配かぁ…預からなきゃ。ドアを開けたら……。
「ぁぁ……ぁ…」
胸が大きくドクンと脈を打って、体が強張った。
気持ち悪い。
(いや…)
『いけしゃあしゃあと嘘つくんじゃねーよ!!』
『やめ…て…違うの…あたしは本当に麻里絵じゃ…ない』
酷く殴られ、ぐったりと床に伏せたら、髪を捕まれ、
『お前みたいな汚い女――』
酷く殴られて腫れた頬に冷たいナイフ。
『お願い…助けて…』
男は、あたしの服をナイフで切り裂き、荒い息で、あたしを殴りながら詰り続けた。
『今まで会いたいとか好きだとか嘘ばっか並べて誤魔化しやがって! 挙げ句にはしつこいだ? たかがネットだ? ゲームだ? 勝手にそっちが勘違いしてとか!! ふざけんじゃねーぞ!!』
『そうやって今まで何人の男を弄んで馬鹿にして笑ってやがったんだ?』
『ざまあみろ! ははっ! どんな気分だ? キモヲタと馬鹿にしてた奴に、殴られ犯されて、中出しまでされてボロクソ言われる気分はよー!!』
男は痛みで動けないあたしを狂ったように犯して、憎しみをあたしの中にぶちまけた後に、ナイフをあたしの顔や喉や胸に何度も何度も何度も振り下ろした。
(痛い…恐い…誰…か…助…け……)
(なんで…あたしなの…? あたしは麻里絵じゃないのに…)
『アタシガ ナニヲ シタノ ?』
「いやあああああああああーーー!!!」