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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの道1-8

あたしが恥ずかしがる写真って……?


即座に顔が赤くなる。


も、もしかして……!!


とっさに思い浮かぶのは、愛を交わす時のベッドの中の自分の姿。


でもすぐに頭を振って思い直す。


いや、アレの最中にそんな写真を撮られた覚えなんてない。


でも、たまにベロベロに酔っぱらったまま及んだこともあったし、気付かないうちに撮られていたとしたら?


あまり考えたくはないけど、久留米さんだって人間。


人には色んな嗜好があることを、今まで色んな男と付き合ってきた経験から学んできたつもりだ。


あの塁だって、見た目はあんなに爽やかなイイ男なのに、やることなすことえげつないことばかりだったし。


そう思うと、彼の隠したフォトフレームの中身がいかがわしいもの以外の何者でもないような気がしてならなかった。


あたしは久留米さんの大きな体に飛びかかりると、彼の黒いスウェットの中に手を入れた。


「ちょっと、あたしの写真なんだから、どんなのか知る権利はあるんだからね!」


「だって、ぜってえお前怒るもん」


「やっぱり……!! このスケベ!!」


「はあ?」


ギロッと久留米さんを睨みつけるあたしに対し、彼はフォトフレー ムをあたしが届かないように右手をピンと天井に伸ばしていたまま、キョトンとした顔になった。


「何のことだよ」


「あたしが知らない間に裸とか撮ってたんでしょ!?」


久留米さんの胸に身体を預けたような体制のまま、あたしが凄んでそう言うと、なぜだか彼はブーッと笑い出した。




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