ハーレム?な少年-10
それをちょっと残念に思うリズ。
「何かしら?」
「僕の重要なお仕事って…これなんですか?リズ様と…その…することが…」
リンの言葉に、リズは本題を告げようとーー元々このために呼んだのだーーわずかに身体を起こして壁に寄りかかる。
リンはリズの胸元に頭が来るように抱きしめられたままだ。
リンが起きようとするのはもちろん拒否する。
上目遣いで自分を見てくるこのアングルを失いたくなかったからだ。
「私とのセックスもその一つね。後は、ここの子達の欲求不満解消よ」
と告げる。
リンはポカンとしていた。
リズは構わず続ける。
「娘も侍女達も男嫌いが揃っているとはいえ、女であることには変わらないわ。
だから女としての男に抱かれたいっていう本能的な欲求を解消してほしいの。適度なガス抜きってことね」
話が進むに連れて、どんどん顔を赤くするリン。
ミレイ達と関係を持てと言ってるのだから、うぶな少年の当然の反応だろう。
「あなたから彼女達と関係を持とうとしなくていいわ。ただ、女の子が誘ってきたら絶対に断ってはダメよ」
それを聞いて安心するリン。
女側から誘わない限り、女性と関係を持たないのだから、誰もリンを誘わないということもあり得る。
「まあでも、リンを誰も誘わないってことはないから、あんまり意味ないかもね」
と、リンの心を読みとったかのようにいうリズ。
「何でですか?」
本気で不思議そうに問い返すリン。
それを見て、リズは苦笑する。
この少年は、自分がどれほど魅力的な存在か理解していないのだ。
「女の勘とでも思ってくれていいわ」
そう言って、言葉を濁すリズ。
ちなみに、リンと関係を持たせることには彼女達…特にカミラの娘達の男嫌いを少しでも克服させようとの意図もある。
ミレイ達の男嫌いはかなり筋が入っていて、今のところ例外はリンだけである。
「それと…最後に一つ、仕事があるわ」
こちらの方が、リンを連れてきた最大の理由である。
「あなたには、必要に応じて、他の貴族や可能ならば王族連中にあなたを一時的に差し出し、カミラとの橋渡しをしてもらうわ」
リズの言葉に、いまいち要領を得ないリン。
「えっと…つまりは、どういうことですか?」
「つまり、他のお偉い方にリンは抱かれ、その家々とのコネを作ってほしいのよ」
リンの美貌があれば、欲望の高い貴族、王族にもその交渉も難しくない。
既にカミラの人間で、リンの女性からの評価は実証済みだ。
レストラのみに限らず、この大陸に存在する国家は女性に王位継承権があり、男性の地位は比較的低い。
そのためリンの存在は国家に通用する。
「つまり…僕は他の女の人に抱かれればいいんですね?」
「そうよ」
リズはあえて冷たい声を出す。
本心を言えば、リンを他の女に抱かせたくはない。
ずっと自分の傍に置いておきたいとさえ思っている。
しかし、家のためを思えば自分の感情など二の次なのだ。
しばらく黙っていたリンであったが、顔をあげ、決然と伝える。
「分かりました。僕を使ってください。僕はリズ様の…カミラ家のモノですから」
「ありがとう…リン…」
ギュッと強くリンを抱きしめる。
二人はしばらくそのままでいた…
「さて…では技術を身につけないとね」
しばらくして、リズはそう口にした。
「何の技術ですか?」
「セックスに決まってるでしょ。貴族の女を堕とすためには必要なものよ。