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ラストショット
【青春 恋愛小説】

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ラストショット-3

明日のために俺は医者に治療を受けに行った、一日でどうにかなるとは思わなかったが、まぁ行かないよりは良いだろう。あれから、リハビリをやってはいるもののあまり変化はない。
「なぁ先生、なんかさぁ一発で良くなる方法とか無いですかねぇ?」
「ははっ、無理なこと言うねぇ」
主治医の佐野先生はバスケ経験者で、ケガをするたびにお世話になっていた、
「先生、俺の手ってどれぐらい良くなったんすか?」「そうだなぁ、手首の捻挫は大分良くなったよ。でも、指の方はまだまだかかるだろうねぇ」
「ほらでもさぁ、テーピングがちがちに巻いておくとかさぁ」
「それでも無理だよ、手に負荷がかかれば、せっかくくっつきかけた骨がまた元に戻ってしまうよ」
「じゃあ、やっぱりシュートなんか無理ですよねぇ」「シュートどころかドリブルだって危険だよ、残念だけど今回は…諦めた方がいい」
結局、結果は変わらなかった。
「あれ?おーいさくら!」病院からの帰り道前を歩くさくらを見つけた、
「あっ、悠也。先生何だって?」
「あぁ、捻挫は大分良くなったって、あとは指だけだってさ」
「そうなんだ……ごめんね悠也」
「謝んなよ、前にも言ったけど俺なら大丈夫だって」「でも、県大会は明日なんだよ」
「なぁに、一馬も居るし、ラッキーな事に強い所とは当たらないで済むんだよ」「…そうなんだ…」
「あぁ……ところでさぁ、女子も同じ所でやるんだよな?」
「そうだけど…どうかしたの?」
「いや、何でもない」
「変なの……明日は、頑張ってね」
「おうよっ」
その日の夜、俺はなかなか寝付けなかった、さくらにはああ言ったものの不安でいっぱいだった。それに明日は俺自身に決着を付けようと決めていた。

「よし、今日は頑張るぞ」『おーーっ』
県大会当日、会場には多くの学校が集まり、ランニングや柔軟体操を始めている所もあった。俺たちの試合は開会式のあとすぐに始まるため、急いでウォームアップを始めた。

午前10時、俺たちの第一試合が始まった。
序盤からペースを掴み、いいリズムを保つ事ができ、72対43で勝利した。
続く二回戦は、序盤は少し押され気味だったものの、一馬が皆をうまくまとめあげ、後半に逆転しそのまま勝利する事ができた。
三回戦は、一馬を徹底的にマークされ危なかったが、2年の池上の3ポイントに助けられ、62対57でなんとか勝ことができた。
三回戦まで終わり次はいよいよ準決勝だ。一馬達はこれまで頑張ってくれたが、やはり疲労は確実に溜まっていた。
「皆本当にお疲れ、俺のせいで迷惑かけて、本当にごめん」
「何言ってんだよこれくらい…ハァー、次の試合って何時からだ?」
「えっと…30分後に始まります」
「ありがと…ついでに水持って来てくれねぇか?」
「はいっ」
「よし、やっとここまで来れたんだ、あと二試合頑張るぞ!」
「うっす!」
「なぁ一馬、次から俺も試合に出ようと思う」
「なっ何言ってんだよ、お前は医者に止められてんだろ?」
「頼む!このまま皆が頑張ってるのを見てるだけなんて…どうしてもできねぇ」「だからって…」
「頼む、このとおりだ!」「ハァ、わかったよ」
「いいのか!」
「ただし、無理すんじゃねぇぞ、ディフェンスだけに専念すればいい、オフェンスはすぐにパスを出せよ」「あぁ、ありがと!」
「よっしゃ、決勝行くぞ」『おっしゃーーー』


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