投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ラストショット
【青春 恋愛小説】

ラストショットの最初へ ラストショット 1 ラストショット 3 ラストショットの最後へ

ラストショット-2

「…バカ」
「えっ?」
「悠也のバカ!どうしてそんなに鈍感なのよ!」
見るとさくらは泣いていた、俺がパニくっている間にさくらは自転車から降り家の中へと消えていった。

それからさくらは俺を避けていた。あの後、席も変わり何度も話し掛けようとしても無視されるだけだった。何とかしようと俺は女バスの知り合いに頼んでさくらを屋上に呼び出してもらった。

「春香ぁどこー」
「さくら」
そう呼ぶとさくらはあわてて振り向いた。
「…っ」
走り去ろうとしたさくらの手を掴んだ、
「話を聞いてくれ!」
「放してよ!」
「何で俺のこと避けるんだよ!」
「だって…」
「何だよ、ハッキリ言ってくれよ!」
「何で分からないのよ、私は悠也の事が好きなの!」「えっ…」
その言葉を聞いたとき俺の頭の中は真っ白だった、まさかさくらが俺の事を好きだとは思わなかった。
「あの、俺…」
「もういいわよ!」
見るとさくらは大粒の涙を零しながら走りだした。
「バカ、危ねぇぞ!」
「きゃっ!」
言ったときにはさくらは階段でバランスを崩しかけていた、
「クソッ」
言うより早く体が反応していた、俺は崩れ落ちるさくらと階段の間に体を滑り込ますことに成功した、ホッとしたのも束の間階段を転げ落ちた次の瞬間には右手に激痛が走った。

保健室で応急処置を受けた俺は愕然とした、先生の話では病院でちゃんと検査を受けないとはっきりしたことは言えないが、人差し指と中指の骨にひびが入っているかもしれないと言う事だった、それに手首も捻挫していた。正直あと一週間ちょっとではとても治らないと言うことだった。病院の検査でも結果は同じだった。

「おい悠也どうすんだよ、県大会まであと一週間しかねぇんだぞ!」
部活へ行ってすぐに一馬にそう怒鳴られたが、
「まぁ、何とかするさ」
そう答えるしかなかった、左手のシュートも練習してみたものの確率は悪い、3ポイントは問題外だった。「悠也…」
呼ばれて振り向くと、さくらが立っていた
「おっ、さくら大丈夫だったか?」
「私は平気だよ、でも悠也が」
「なぁに、大丈夫だよ」
「でも、指の骨にひびが入ったんでしょ、それじゃあシュートだって……」
さくらは嗚咽をもらしながら泣きだした、
「大丈夫だって!俺ならできる」
精一杯の強がりだったが
「ふふっ…何よその根拠のない自信は、何時だってそうなんだから」
何とかさくらは笑ってくれた、
「大丈夫俺を信じとけ!」「…うんっ」

次の日、県大会の組み合わせが発表された、    「おい、俺たちまだついてるみたいだ」
一馬が嬉しそうに呟いた、見るとうちのチームはあまり強い所とは当たらずに済みそうだ、これなら何とか決勝まで行けそうである、「よしっ、あと六日間死ぬ気で練習すっぞ!」
『おーーっ』
それから俺たちは死ぬ気で練習した、そしてあっという間に五日間が過ぎた。

「一馬、今日は医者行って来るわ」
練習が終わり一馬に後の事を託した、
「おうっ、しっかり診てもらってこいよ!」
「おうっ」


ラストショットの最初へ ラストショット 1 ラストショット 3 ラストショットの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前