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噂をすれば恋
【女性向け 官能小説】

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あれからホテルを出て
二人でファミレスで朝食を取った後、金子さんは
「毎週金曜日の夜、俺、真樹を予約していい?」と笑った。

金曜日に山梨から来て、
日曜日までこっちに知るのか知らない。

だったら土曜の夜は一体誰と過ごすのか。
日曜の昼間は誰と過ごすのか。

そんな事はもちろん聞く勇気なんかなくて。

ああ。そっか。

と思い当たった。
すみれが言っていた「いい男」=「セックスの上手い男」。
どこからそんなうわさが流れているのかしらないけど
少なくともこの男は女に誠実じゃないらしい。

セックスが上手いとうわさが流れるほどの
経験がこの男にはあるんだろう。

私は一晩だけ過ごしたこの男を手放したくないという
何とも不思議な感覚に浸っていた。

加藤さんを忘れられるなら。
金子さんが金曜の夜を私にくれるなら。
私はありがたくもらえばいい。

『0』か『10』かなら、10でも欲しい。
たとえ、『100』が手に入らなくても。

「金曜日ね。覚えてたら空けておく」

そういいながら私は自分自身を納得させていた。

「俺たちの関係なんだけど」

うん。分かってる。

「セフレ。でしょ?」

女から言われることは稀なのか
金子さんはほんの少し目を見開いて意地悪く笑った。

「大丈夫。社内の人にばれないようにお互いに気を付けましょう」

そう言って私はコーヒーの最後の一口を飲み干した。





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