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噂をすれば恋
【女性向け 官能小説】

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-5


「山口」

「あ。柳下さん。私今から社外に打ち合わせに行かなきゃいけないんですけど。
後で、じゃ駄目ですか?」

広報の先輩の柳下さんの引き留めに
ロクなことじゃないと早々に切り上げたくて
社外との打ち合わせを口実にしたけど

「次回の社内報、俺と山口が担当なんだよ」
「え〜」

全く社内報はめんどくさい。
社員は読んでるか読んでないか分からないし
それなのに2ヶ月に1度、広報のなかで二人が順番に担当する。
自分の持っている仕事の合間に編集をやらなければならず
広報の中でも人気の低い仕事だ。

「いつもと同じでいいんじゃないですか?
最後のページは前回好評だった「今月のカップル」でいいじゃないですか」

そういうときょろきょろと周りを見渡し
私を廊下の端に引っ張り込んだ。

「それがさ。ここだけの話だけど」
「はぁ」
「あの企画はポシャッたらしい」
「何でですか?いつもは最後まで読まれない社内報が
久々にヒットだったじゃないですか」
「常務からストップが入った」
「常務から?」

社内報は8割が業績の報告や社長役員のお言葉、
部署の紹介などで、2割が娯楽要素を含む。
その娯楽要素に上層部がケチを付けてきたことはない。

「どうも経管の山田さんの相手の経理の新田さん」
「うん」
「新田常務の娘らしい」
「ええ〜」





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