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水面の少女 加奈
【レイプ 官能小説】

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選択する盾 ★-1


「まさかあのすかした千章の小僧が、俺と同じ矛盾だったとは…… まぁ、よくやったとは言ってやりてぇが、あの様子では到底助かるまい」
早朝の駅で起きた惨事をその男は、まるで予期するが如く遠巻きに眺めながらそう呟く。

そして、こうも付け加える。
「しかしもしその命落とす事無ければ、忌まわしき我らが呪縛より解き放たれる。そして自ら選択すればいい、その後の路を……」


 いずれにしても少年の勇気ある行動は、翌日の紙面にて万人の知る処となる。
そして僅かに残る同胞たちは古に刻まれし記憶にて、それと理解する事無く異口同音にて次の言葉を口にするのである。
「立派だったぞ、少年よ」
そして願うのである。
少年が生き残りし事を……


 当然の事ではあったが、事件直後佑香は命の恩人である千章少年の元を訪ねる。
しかし少年の容態は悪く、集中治療室の面会謝絶状態であった。

更に悪い事にマスコミが、事件を面白おかしくセンセーショナルに書きたてる。
その悪意に満ちた記事に少年の両親は憤慨し、容態が安定しても誰一人として面会を許さず、佑香の知らぬ間に転院がされていた。

結果佑香は少年が最後に願った言葉。
“また逢いたい”と言う約束を果たせる事無くこの世を去る。
それは事件より、僅か3年後の11月15日のことである。

同時に佑香の娘である、柏木恵利子(かしわぎえりこ)がこの世に誕生する。

 その状況から石崎佑香は、“天女の血を引きし存在”であった事が推測される。
そしてその稀有な血脈は、母親の血が薄かった事に反比例するか如く、その娘“恵利子”に色濃く引き継がれ宿る事になる。
しかしそれは天女の超常の力を宿すが故に、その稀有な魅力に惹き寄せられる者たちの数も比例する事になる。

比較的天女の血薄かった母親佑香でさえ、変質的ストーカーを引き寄せてしまっている。
天女の血濃い恵利子の前途は、言い知れぬ不安と恐怖そして欲望に満ちている。
だが佑香を守った様に恵利子にも、その身を挺し守る従者である“矛盾”が現れるであろう。

 天女の身を守る従者である矛盾。
文字通りその存在は矛盾に満ち溢れている。
本来守るだけの存在であれば、盾のみで十分である。
何故“矛”と“盾”両方が存在しているのであろうか?


 藤岡留吉は「太田加奈レイプ未遂事件」以降、その活動拠点を某県ターミナル駅付近に構える。
そして自身が住む住居も、駅に隣接するマンション最上階とした。

そこで偶然小沼歩美の匂いを嗅ぎ付け、再びその手中にし肉壺とする。
二年間の時を経て歩美は、自身を高め魅力的に成長していた。

もっともそれは精神的な部分はともかく、肉体的な部分においては自ら過剰に摂取した“体液”の恩恵による事を当人は……

「じゅぷっ、じゅっぷ、じゅぽっ、じゅぽっ」
潤いある艶やかな音が留吉の陰茎が抜き挿しされる都度、歪に結合部の形を変え歩美の膣孔より漏れ聞こえる。

二年の時を経て再び留吉に絡め取られたかに見える歩美であったが、その膣にも脳裏にも同様に忘れようとしていた記憶が甦っていた。

歩美は不思議ではあったが、再びその魔力に魅入られ欲し始めていた。
醜悪な老人の体内より放出される体液を……

「んぐ、んぐぅ、んぐぅっ」
老いて尚滾り沸き立つ陰茎の火照りを癒す事で、与えられる褒美に歩美は貪りつき欲する。

放たれし口中を満たす体液を喉を鳴らせ吸いつき飲み干す。
その効能を知るが故、陰茎に僅かにこびり付く体液すら舌先を絡ませこそぎ取る。

「殊勲だぜ歩美、しかしお前その様子だと、どうやら気付いてるな?」
射精後の陰茎にさえ必死に舌を絡ませる歩美に、留吉は悦に入りながらもいつもとは違う重い口調で語りかける。

「不思議、おかしいとは思わないか?」
歩美を見下ろしながら、その表情の変化を見逃さない様に留吉は続ける。

「……」
体液を全て舐め取って尚物欲しげに、虚ろな目をした歩美は留吉の陰茎にしゃぶりついていた。
その位置関係ゆえ上目使いで視線を合わせると、見開かれた瞳を瞬きひとつさせず首をほんの少し左右に動かす。
今の歩美にとって、理屈はいらなかった。

「ならば、今はそれで良い」
留吉もまた同調するが如く、歩美の真意を探ろうとはしなかった。
そして射精後の気怠くも心地良い感触を仰向けに身を横たえ味わうのである。


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