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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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告白-6

「樹里奈ー!、しゅう君、待ってるわよー!」
「はぁーいっ、後ちょっとー」

夏休み初日、昨日一学期の終業式の後、彼から旅行の相談を持ち掛けられ
「早速明日の朝、お邪魔するね」って言って来て。私は「あらもう?」と思いつつ慌てて
準備に勤しみ、まぁ普通に旅行の準備をしてるダケなら彼が来てこんなに慌てる事も  無かったのダガ、待ちわびたのか予定より早く来た事もあってバタバタと私らしくもない。玄関で荷物をしょって立って待っている彼を尻目に、私は一人キッチンで包丁や
まな板を広げ手を急がせる。

「んもぅー、御免なさいねー」
「いえ、こちらこそ予定より早く来て、焦らせてしまった様でスミマセン」
「アノ子…貴方と旅行に行くって聞かされてから妙に世話し無いのよ、急に買出しに
向ったり、楽しい旅行だってのに、時よりため息をついたり」
「ため息?」
「そうなのよ、失礼よねこれから旅に出ようってのに…」

しゅうはお母さんの話を聞いて、目を潜め床に目をやる。


「それじゃーお母さん行ってくるねー」
「はーい、楽しんで来てね」

旅支度をした私たちは、小さくなってくお母さんに手を振り、駅まで向う事に

「どうしたの?君が慌てる何て珍しいね」
「別に、貴方が予定より早く来るカラ」

約束じゃ11時に来るって行ったのに、1時間も早く来て正直ドキッとしたぜ。

「そっか、ゴメン…戸惑うよね」

包み込む様な柔らかい声での謝罪、これを聞くとどうもキュンとくるも

「ホントよ、レディーには色々とあるんですからね、今度もしこういう事があったら
次は私が貴方の家に行こうかしら?1時間早く来て、寝癖を立てて慌てるしゅうを見つめ
お姉さんと二人であれこれ話して」

「うへー、それは勘弁してー」

幸せだなぁ…、私、自分でうっかり「今度もし」何て行ったケド、次…何てあるのか?
この支笏湖の旅行が最初で最後だったりして、その後私の人生において彼とこうして
旅行をする事は無いのでは?

そう思うと、…何だか、私。

「どうしたの?」
「えっ?」

暗い表情で、アスファルトに目を落とす私が気になり声を掛ける。

「いや、別に」
「そう…」

ああ、こんなんじゃ彼に失礼だ


電車に乗るのは割りと久しぶりだ、おそらく彼の為に東京の国立競技場へ向って以来だ
彼の為に東京へ向かい、今度はある意味私の為に、彼が私を北海道まで連れて行って。

「何か凄いよね、そんな遠い所まで」
「特急のチケットがあるからね、これでまず空港について、そっから北海道までね」
「うわー、これはかなりの長旅ね、その…大丈夫?」

私だって彼がそういうが得意で無いのは知っている、正直私は彼が心配だ

「うん、まぁね…、これでも姉さんや父さんから色々教わったから」

私の為に、そんな慣れない事を学んだの?。夜更かししてお姉さんに叱咤激励されつつ
無駄に情報誌やプリントが散乱している様子が目に浮かぶ。

「ちょっと樹里奈、今変な事考え無かった?」

見抜かれた?

「けっこう大変だったんだよ、知らない単語が沢山出てきて」
「単語って、学校のテストかい、そりゃー向こうだって色々とサービスしたいでしょうし
セキリュティーとかもあるしさ、色々と複雑になっちゃう訳さ」

「流石!いざと言う時は頼むね」
「何よー、貴方が誘った旅行でしょ?男なら女の子をしっかりリードなさいよ」

高速に緑豊かな風景が、次々と変わり、序所に見慣れた風景が窓の向こうから消えてゆき

頼りない事を言う彼、少々不安になっていると早速

グゥゥゥゥゥゥ

彼の腹の虫が鳴り出し

「あら、もうお腹がすいたの?」
「うん、朝あんまり食べてなくて」
「なーんでぇ、朝のランチは大事よ」
「いやー、何か旅行に行くって考えると朝飯所じゃ無くなって来て」

へテッと言わんばかりにおどける彼、やれやれ…私だって色んな意味でドッキドキだけど
ちゃんと胃に入れるものは入れて、でないとせっかくの旅行だってね…

私はそんな彼にため息を付きつつも、ちょっと得意気にバックからある物を取り出す

「樹里奈?、それは…」

私がバックから取り出した四角い箱に、目をやる彼

「決まってるでしょ?お弁当!」
「わぁ、ほんとに」
「何よ嘘言ってどうするの、良かった作ってきて」

そう言いつつ、弁当の箱を広げランチの準備をする。

「うわぁー、美味しそう」
彼の目の先には、綺麗に出来たエッグサンドやツナサンド、それにお肉好きの彼の為に
揚げたてのカツサンドがランチボックスに揃えられ

「はい、あーんして」
「えっ?」

思わず、彼の口にカツサンドを入れようとし、それに驚いた彼が声を挙げ

「あ…、ゴメンどうぞ」
何してんだ私、彼は別に彼氏何かじゃ
我に返り、そのサンドを元に戻し、ランチボックスを彼の膝に乗っけて
彼も少しの間、無言であったが

「頂きます!」

空気を入れ替える様に、まんべんの笑みでカツサンドを片手にし。
彼の口の中で、私の料理が転がる。

「…うん、美味しい!カリッとしてて」
「ほんと!?」

そう言って、水筒に汲んだ麦茶を彼に差しだし

「ありがとう」
そう軽く礼を言い、少し間を置いて落ち着いた口調で訪ねる。

「…もしかして、これを作る為に、バタバタしてたの?」
「う…うん、まぁね幾ら貴方から誘われたとは言え、しゅうにばっかり負担を掛けるのは
可哀想だなーて、お節介だったかな?」

お節介…と言う言葉は今回初めて発した言葉じゃない。私は頬を赤く染め目を背ける

「いや、そんな事無いよ、とっても嬉しい!」
彼も頬を赤く染め、真顔で私に顔を近づけ







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