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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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告白-5

樹里奈視点

私たちは、何時もの喫茶店(とは言え、かなり久しぶりダガ)で、春華と共に
コーヒーを嗜んで居た。

「あぁ、良い香り…やっぱアンタが目の前に座って無いと、味がしないわ」

鼻で一端に、コーヒーの香りを楽しむ友人

「中2病ですか?春華サン」
「中3だし、女子はあんま関係無いんじゃ」
「関係無いのカナー!?」
「……何よ。」

天井に向うコーヒーの湯気の向こうで、春華が私に何か言いたけな顔でこちらをジッと
見つめる中…

「あっ、ちょっと失礼」

そんな空気の中、私のポッケからケータイが鳴り、画面を覗き、目を見開き

「どうしたの、樹里奈?」

ケータイを見て、表情を一変した私に気づき声を掛ける。

「…いや、その…彼から、しゅうカラのメール」

「何だって?」
そのメール画面に「あのさ、樹里奈…旅行に行かない?支笏湖って言うトコ。…急の誘いで驚くよねゴメン。かなり遠いし、出発まで大変かも知れないケド、とっても楽しい所
何だ、だからもし君さえ良ければ」と書かれ。

ハッとし、真剣な眼差しで私に、尋ねる。

「その、旅行に行こうって…、遠い支笏湖って所に」

動揺を隠せないで居る私、正直困る、どうしょう…
そんな弱気な私に、真正面に居る友人が、キツめの口調で

「なら行けば良いしょっ!大好きな人からのお誘い何だし」
「いや、私は…私は」

目を細め、ケータイを握っていると、そんな私にイライラした春華が、強引に私の
ケータイを奪い取り…

「あっ…」

そのまま有無を言わず、ボタンに指を動かし。そして任務を終え悪びれる様子も無く
私にケータイを返し。

濁った心の私は、そのケータイに目をやると。「うん、行く…、宜しくお願いします」
と、春華は勝手に書いていて。

「ちょっと!春華!」

ケータイを強く閉じ、春華を睨むが

「いっつまでウジウジしてるのサ!、…彼は、アンタの事が好きで、アンタを必要として
るんだよっ!?…そんな」

「解ってるよそんな!、でも、でも私は…私何かにそんな…資格は」

頭では解ってても、それを心で受け入れる事が出来ないでいる私…
私は所詮、罪深い人間…

「…後で、旅行の詳細を彼から聞かされるでしょうから、覚悟を決めて」

彼から連絡が来て、今更「あれは春華が勝手に、だから旅行の話は」何て言える訳が無い
そんな事をしたら、春華に失望され、それ以前に彼をガッカリさせ…何より、春華に
強引に返事をされたとは言え、ここで断ったら、私は、私は…。


そして夜空に無数の星が浮かぶ中、湯船に浸かりジャスミンの香りと共に、熱気が自室に
浮かぶ中、私は今だ床に目を細め、視線を落とし、彼の事を頭に浮かべていると

「!!」

机に置いたケータイに目をやると、着信を知らせるランプがなっていて。
私は、迷わずケータイを手に取ると。

ソコに想い人が、私が風呂に浸かってる間に、電話を掛けた事を知らせるモノがあり。

私は、ここに来て彼との旅行を進める手が鈍り。それでもそんな弱気な自分を押し切り


「あ…もしもし」
「樹里奈?メール見た?」
「うん、…その」

ここが分岐点、断るチャンスはこの時だけ、私は目を閉じ思考を巡らし

「…どうしたの?大丈夫?」
「いや、御免なさい…、行く、行くよ楽しそうじゃない!」

これで決定ね、もう…後には戻れない。

「そうか!嬉しいなそう言って貰えて…!」

電話の向こうから聞こえる彼の喜びの声。その声に私はホッとする。

「夏休みに入ってから行くの?」
「うん、遠いから一泊はするだろうし。」

わー、彼とお泊り!?

「じゃー、私の方から貴方の家に荷物をまとめて」
「ううん大丈夫だよ、俺の方から君の家に一回お邪魔するカラ」
「まぁ、何だか悪いわね」
「誘ったのは俺の方だし、このくらいは当然だよ」
「そう?じゃ待ってるカラ。」
「うん!期待してよねっ!」

そして私は、電話を切った。

電話越しから耳にする彼の上機嫌な声、ホントに楽しみ何だ、旅行へ行く、と言うか
私と行くのが、そんなに…。

頭に浮かぶ表情をパァとさせ、口を動かす彼の姿

一体しゅうは何を考えているんだろう

私は、かつて貴方を刺し、やっと一緒になれたかと思えば、一人自分が犯した罪に悩み
こんで、素敵な笑顔で私の元にやって来てくれるのに、避けているのに。

正直今でも旅行は乗り気では無い、行くって返事したのだってただ後悔するんでないか
ってくらいなダケで。

一体この旅行で、何かが変わるのだろうか?







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