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マリアの猫
【ファンタジー 官能小説】

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マリアの猫-1

1. 
 3時になった。
庭に面したベランダの、日当たりの中にタオルケットを敷く。
 周りは木立に囲まれて、外からは見えない。
念のため周りを一回り確認してから、横になる。 バスローブの前をはだけると、男根を太陽に晒す。
 包皮を指で扱いて、包茎の時には裏側になっていた薄皮を太陽に当てる。
シクシクと熱が伝わり、気持ちがいい。
 顔を太陽に当てると眩しいので、庇の影になるように枕の位置を調整してある。
真夏の日中は、紫外線が強くて、皮膚癌の恐れがある。 それに太陽は真上にあるから、庇の下は日陰になってしまう。 3時頃になると斜めに射すようになるので、局部だけ日光に当てるには都合がいいのだ。
 
 人によっては、金冷法とか、“石もて鍛えん”などの勇ましい方法を行うものもあるようだ。 若い頃、挿入時に毛切れのような痛みを覚えた。 事が終わった後で良く調べてみると、包皮の折り返し部分が、赤く筋割れをしていた。僕は、本来肌が余り強い方ではないので、特にこのような粘膜に近い皮膚は、摩擦に耐えられないものと思われた。
 色々考えた末、日光浴をしてみた。
 考えてみれば、男の大事な部分が、陰部と称されて一生涯日の目を見ないと言うのは、不自然である。 太古には、恐らく十分な太陽を浴びていたことであろう。
 これが思った以上に効果があって、その上、交接時間が長くなると言う、おまけまでついた。
 最初は気を付けて5分位で試して、慣れるに従って10分、20分と時間を伸ばしていった。
 最近は、お天気の具合を見ながら、15乃至30分の日光浴を行っている。

 男根は、太陽で暖められるといい気持ちになって、程よく勃起をする。指先で包皮を引っ張りながら、焼き鳥やの亭主よろしく、陰茎をあっちに向けたり、こっちに向けたり、ひっくり返したりしながら万遍なく焼くのである。
 じっと横になっていると退屈なので、アダルト本などを読む。 陰茎が突っ張って、日当たりが良くなる。 経済や政治の本などを読むと、縮んでしまって駄目だ。

 姉弟もの、女教師、看護婦ものなど読みながら、気持ちよく膨張した陰茎を日に晒していると、足元に気配を感じた。
 驚いて目をむけると、いつのまに近づいたのか、小柄な三毛猫が、人の腿に寄り添って、体を擦りつけているではないか。
(ああ、昨日の猫だな)
玄関脇の羊歯の葉が、通行を遮るように伸びてきたので、昨日枝払いをした。 その時、この猫が寄って来て、ミャーウと鳴いた。 初めて見る猫だが、人懐こいのか仕事が終わるまで側に付いて離れない。 他にも近所の猫がたまに来るが、人の影を見ると、さっさと逃げてしまう。
 見かけない猫だが、思い当たるのは、向かいに引っ越してきた若後家さんである。小柄な、栗色の目と、ブルーネットの髪をした、白人である。 名前はマリアで、スペイン人だと言う。
 立ち話で、詳しい身の上話を聞いた訳ではないが、一人住まいだと自分で言った。
 オールドミスに有り勝ちな突っ張った様子もなく、こんなかわいらしい女を離婚すら馬鹿な男はないだろうから、勝手に後家さんと決めさせて貰った。
 一人住まいの女性は猫をよく飼うので、多分この三毛はマリアの飼い猫だと想像をした。
 その三毛を足元に侍らせて、小説を読む。 姉と弟の行為が佳境に入ると、嫌でも男根は怒張をする。すると突然、亀頭の先に、心地よい感触が走った。
 何事かと目をやると、何と三毛が、男根に被さる様にして、筒先を舐めているではないか。怒張と同時に吹き出した先走り液を、舐めているのである。
 先を舐められると、快感がウズウズと高まって、更に先走り液を吐出する。 三毛は益々興奮をして、亀頭を舐めまくる。
 ははあ、と思い当たった。あのマリア、空閨を紛らわすために、この猫におマンコを舐めさせているに違いない。
 マリアの面影が二重映しに。色白の柔肌、ブルーネットの陰毛(多分、髪の毛と同じ色だろう)。股間にひらひらと蠢く、サーモンピンクのブーゲンビリヤの花びら。
一度あそこに入れてみたい。
「おお、マリア、テ・キエロ(お前が好きだ)」


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