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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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千年メダル-1

昨夜はメイを探し回って散々疲れていたはずなのに、なぜか眠れなかった。


やはり昨日の久留米さんの言葉が気になったからだ。


ついて来て欲しい場所ってどこだろう……。


あたしは、洗面所で隈がくっきりついてしまった顔をタオルで拭いてから鏡を見た。


そこには不安げな顔をした、自分のすっぴん。


久留米さんのお誘いは初めてだし、本来なら浮かれる所だけど、あたしは振られてついこないだまでは目も合わせてくれないほど避けられていた身だ。


だから、この展開に戸惑うのは至極当然で、正直自分を着飾る気力はあまりなかった。


部屋に戻り、ベッドの上に出して置いた着替えに手を伸ばす。


黒いスキニーパンツにあまり色の濃くないデニムのミニワンピ。


頭はルーズなおだんごに結わえ、いつもより薄目のメイク。


気合いを入れすぎたって空回りするのは目に見えてるし、久留米さんの気持ちがあたしにないのはわかりきっている。


だったら友達と遊ぶようなラフな格好の方が、気を負わないだろうと捨て鉢になりながら、あたしは姿見に自分を映して最小限のチェックを済ませた。





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